抑止力

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安保関連法案に対して世論の反対が大きくなる中、9月4日(金)付けの読売新聞に載った、自民党副総裁・高村 正彦氏のコラムに目が止まった。
今の日本が平和であるのは、外交努力と同時に、自衛隊を作って日米安全保障条約を締結し、周辺国に対し抑止力を保ってきたことにあると冒頭で言い切るこの一節には、様々な真理が含まれているように感じた。

先月8月30日(日)に国会前で開かれた安保法案に反対する大きな集会では、「戦争法案反対」「安倍政権退陣」と多くの参加者が派手にやっていたが、彼らは我が国の立ち位置と、危機に対する捉え方をどの様に考え解釈しているのだろうか。
誰だって戦争や殺し合いはごめんだが、日本を取り巻く現況を落ち着いて分析すれば、“他国”が一方的に攻めてくる可能性が「0」とは言い難い。
核を持ち、それを搭載して日本列島を射程内にする『中距離弾道ミサイル・ノドン』を300発以上も保有している北朝鮮。国を挙げて他国民を拉致したり、宇宙開発用ロケットの発射実験と称して、実は軍事ミサイルを日本列島の方向へ何発も発射するという、無謀きわまりない行動の数々は、既に子供も呆れるレベルとして知れ渡っている。
そう、“他国”とは北朝鮮のことであり、独裁者である金正恩が操る、まさに私的国家だ。
巨国米国を相手取っては、核を盾にした子供じみた交渉ごっこを興じ、隣国韓国とは意味不明な小競り合いを連発、そして日本をはじめ世界の国々より強く糾弾されている大罪・拉致問題に対しては、賠償どころか謝罪すらない。
世の中、常識が通用しない組織ほど恐ろしいものはなく、もしも金正恩が崖っぷちに立たされれば、思いも寄らない行動を起こすことは必至だ。

「くそっ、頭にきたぁぁぁ!!!」
「殲滅作戦、いっちゃいますか」
「当たり前だぁぁぁ!!!」
「それじゃ、そこのボタン、押してください」
「よっしゃぁぁぁ!!!」

真面目なところ、
こんなノリで核弾頭が飛んでくる可能性も捨てきれない。

人波・a-nation

味スタ

8月29日(土)~30日(日)の二日間。職場の目の前、味の素スタジアムでは、エイベックスグループが主催する“a-nation”が行なわれた。さすがに恒例のビッグイベントだけあって、雨模様にもかかわらず、集客一日5万人と、恐ろしい人波が静かな町“飛田給”を埋め尽くした。
飛田給駅前には、セブンイレブン、ローソン、ローソン100、スリーエフ、マクドナルド、オリジン弁当、庄や、バーミヤンと並んでいるが、どこも活況を博し、午後に飲み物と甘いパンでも買いに行こうと馴染みのローソン100へ寄ってみたら、レジにできた行列は店内を一周していた。
おにぎりやパン等は既にSold Out間近で、しょうがなく残りものを買うことにした

「お客さんいっぱいじゃない!儲かっちゃうね!」
「駄目っすよ、オーナーはいいかもしれないけど、俺たち従業員は関係ないっすもん」

とは、頑張り屋の店長。
まっ、確かにそうだ。

30日(日)の夕方に、弊社の常連さんであるタクシードライバーが来店したので聞いてみた。

「昨日は儲かったんじゃないですか?!」
「だめだめ、土曜はお客さん少なかったよ」

意外な答えである。

「お客に聞いたんだけどさ、何やら“ただ券”配ってたらしいよ」
「えっ、ほんとに?! そりゃ驚きだな~」

a-nationもそろそろ潮時か?!
調べれば出演者の半分以上は一度も見たことも聞いたこともないアーティストばかりで、一部の熱狂的なファン達によって成り立っている感は否めない。
但、買い物の不便さはあるとしても、コンサートやJリーグを行うたびに飛田給の街が活況を帯びることは嫌いではない。
人波は不思議と気分を高揚させ、マンネリ化した毎日に小さな抑揚をつけてくれる。
それに普段見ることのできない人種を観察できるのも、結構な楽しみなのだ。

若い頃・デニーズ時代 7

飲食業には元々興味があって、薄々自分に向いている仕事ではないかと思っていた。

学生時代に色々とやったアルバイトの中でも、喫茶店のウェイターと洋食屋の厨房へは自然に入り込むことができたし、難しさの中にも楽しさを見いだせ、けっこう積極的にやれたよう記憶している。
反面、吉祥寺の東急デパート建設工事やTRC流通センターでの仕事はひとつも面白味を感じられず、単なる銭稼ぎの手段として割り切っていた。
肉体労働や単純反復的な作業等は、どうも私には向いてないようである。

こんな背景があった為か、デニーズでの生活には入社早々からフィット感を覚え、新しいことを教わった際も、スムーズに理解できたように思う。
そしてもうひとつ。
デニーズには如何にもアメリカ生まれらしいシステマチックなキッチンシステムが備えられていて、これはアルバイト時代の洋食屋の厨房とは抜本的に異なるものだった。
高品質な料理を短時間且つ大量にサービスできる様は単純に驚きだったし、一日でも早くこれを駆使できるようになりたいと、非常に前向きな気持ちになれたのだ。
とにかく徹底した作業動線の追求は見事だった。
生産性の高い仕事を行う為に、キッチン内の調理器具、食材、プレートなどを絶妙な位置に配置し、クックは体の向き変えだけで殆どの作業が事足りるようにできている。

キッチンでのクックの立ち位置(ポジション)は基本的に3ヵ所あり、それは“グリル板”、“センター”、“フライヤー”だ。ちゃんとした準備と一人前のクックが3名いれば、1時間で客席が1.5回転から2回転するランチライムでも支障なく料理を提供することができるのだ。

先ずはグリル板。
その名のように、このポジションには大きな鉄板が配置され、パンケーキ、フレンチトースト、ホットサンド、生姜焼き、グリルサーモン等々を調理する。そこから180度振り向くと、下側が冷蔵庫になっていて、食材を常時冷たく保存するコールドテーブルがあり、ここでは主にサラダ、サンドイッチなどを作る。コールドテーブルに並べられた大小のステンレス角形容器(インサート)には、トスサラダ、ホワイトアスパラ、トマトスライス、サラダ菜、サニーレタス、スイートコーン等々が整然と並び、それぞれは腕を伸ばす範囲にあってスピーディーに調理を進められる。

次はフライヤー。
全自動のフライヤーが3機配置され、フレンチフライ、オニオンリング、エビフライ、ホタテフライ、フィッシュフライ等を揚げていく。
反対側は大きな“湯せん装置”であるホットテーブルになっていて、コールドテーブルと同様にインサートで仕切られており、そこにはミートソース、ドミグラスソース、カレーソース等が並んでいる。
因みにフライヤーの隣にはピザオーブンがあり、その先には並んでリーチイン型冷蔵庫が配置され、プリパレーション(下ごしらえ)されたピザやクレオールを保存してある。扉を開いてサッとピザを取りだし、隣のオーブンへ入れるのは瞬時である。

最後はセンター。
このポジションにはクッキングをひととおりマスターした者が立ち、ライスをよそう傍ら、両サイドをフォローし、ワンチェックのディッシュアップが同時にできるようコントロールするするのがメインの仕事になっている。
“できるセンター”がいるとピーク時の回転率が大幅にアップし、質の向上並びに売上の向上が得られる。もちろん両サイドのクックの生産性は限りなく高まるのだ。

「オーダー入ります」
「はい!!」
「ワンピザ、ワンシェフ、ワン丸ワ、ワンPジンジャー」
「はい!!」
「FF、落としすぎるなよ」
「スピナッチあおって」
「それからライスオン、終わったらトスサラやっといて」
「はい!!!」
「それから堀口君、テンプレ、キュープレ、補充よろしく」
「ました☆」
「三沢さん、そのスープといっしょにサラダもね」
「はいありがとう!」

業界用語だらけで、よく分からないと思うが、こんな感じでてきぱきとテンポ良く、センターは両サイドのみならず、フロントメンバーであるMDやバスヘルプにも的確な指示を出していくのだ。
既に気持ちだけは一端のデニーズマンとなっていた私は、濱村さんの華麗なセンター業務を見てうっとりするばかり。
一日でも早くセンターのできるクックになりたいと、日々の業務に力が入っていくのであった。

写真好きな中年男の独り言