人間の目は凄い。どんなに大きなコントラスト差があろうと、意識することなくバランスの良い景観として瞬時にまとめる。これに対し、現況のデジタル技術はまだまだ。最新のイメージセンサー、同じく解像エンジンをもってしても、人間の目のようにはいかない。条件がそろえばびっくりするほどの画を作るが、前述のような場面では、黒つぶれもしくは白飛びとなり、期待した画は得られない。
この最新デジタル技術を救うのは、アナログの極致“レンズフィルター”。なかでもGNDはやや特殊感があって使う人はそれほど多くないが、その効果は目を見張るものがある。風景撮影が好きな方なら、絶対に使ってもらいたいフィルターだ。PL、ND、そしてGNDの三種は、風景好きにとってもはや必須。今回の撮影行でもその威力を遺憾なく発揮してくれた。立体感のある雲や、美しい富士の姿から裾野に広がる湖までをバランスよく描写できたのは、GNDあってこそである。