今年もモッコウバラ

「肉が食べたいな」
「じゃ、武蔵関いくか」
 武蔵関とは、青梅街道沿いのステーキハウス『バッファロー』のことである。ここの目玉はなんと言ってもステーキランチ。ずばり日本人の好みに合わせて、ご飯を美味しく食べさせるステーキに仕立てているのだ。このブログで何度か紹介しているが、まったく飽くことがない味である。しかも、ステーキ、ライス、サラダ、コーヒーで1,200円は実にリーズナブル。高くてうまいは当たり前。安くておいしいから納得するしリピートもする。
 昔は飲食業界に身をおいていたので、客を長い間リピーターとして定着させることの難しさは痛いほどよくわかる。
 さて現実問題、味だけで客の心をつかめるかと問われれば、それは無理。やはりCP、つまり大きなお値打ち感を覚えさせないと、人は二度と振り向かない。次に肝心なのは接客対応。どんなにすばらしい料理でも店員のぞんざいな態度が鼻につけば、うまいもへったくれもありゃしない。そう、二度と来なくなる。


 我が家のモッコウバラが見事に咲きだした。これから毎日開花が進み、数日後には門の脇が黄一色となる。私は桜以上にモッコウバラの開花に春の訪れを感じてしまう。以前は不思議と二年に一度しか開花しなかったが、女房の手入れによって数年前から毎年盛大に開花するようになった。こんなこともあってか、とても愛しいのだ。

バッファロー

生藤山・花の山

 二か月ぶりの山行である。春めいてくると気持ちがうずうずして、膝問題や花粉アレルギーがあろうとも、自然と山へ目が向くようになる。
 四月十一日(木)。季節に合わせようと、桜の山として広く知られている上野原の“生藤山”を歩いてきた。

 生藤山は山稜上の小さなピークで目立たないが、山頂に達する登山道に桜の木が多く、四月中旬には登山客でいっぱいになる。(山と渓谷オンラインより抜粋)

 そう、生藤山はズバリ今が旬のはず。どれだけ賑やかな雰囲気を味わえるかと期待は膨らんだ。ところが週末には満車必至と言われる県立鎌沢駐車場に車の影はなく、さらには10Km弱の行程をすべて回りきったが、見かけたハイカーは五名のみ。肩透かしを食らった感じではあるが、今年は桜の散るのが早かったことと、カビが原因とされるテングス病被害が大きく出ているという問題が重なったようなのだ。

 駐車場を出発すると登山口までは舗装路の急坂が続いた。膝に負担をかけぬよう歩幅を小さくしているので、ちょっとした距離でもやたらと時間がかかる。
 桜のプロムナードまでくると、なるほどテングス病によるものか、本来は桜並木になるはずのところが、見れば一本の樹木に対して開花はほんのわずかしかなく、被害の深刻さをものがっていた。

 地味な上りが延々と続くが、山道はよく整備されているので不安はない。しばらく行くと三国山に到着。ベンチで年配男性が休憩中である。こちらもタイミング的に小休止とした。二言三言話をすると、調布市在中で登山は月に三~四回出かけるという。しかも今日は陣馬山まで回るとのこと。
「いやぁ~健脚ですね」
「ははは、そんな大したもんじゃないですよ」
 若い人ならいざ知らず、いやいや、実に大したものだ。

 生藤山の頂上直下は岩登りチックな急登が待っていた。こんな時はトレポが邪魔だ。左手をフリーにして一気に登る。
 ここにもベンチがあったので、ちょっと早いが昼食にしようと、ザックを下ろして中身を出す。今回は久しぶりに好物の“カレーメシ”を持参した。
 ところが、
「あれ?」
 スプーンを忘れた。
 代用できるものを考えてみたが、なかなか手ごろなものが思いつかない。じかに口へ流せば火傷必至。あきらめて菓子パン二つとプロテインバーのみで済ませた。これだけでは間違いなくあとで腹が減る。

 生藤山東峰の急坂を下ると、今度は気持ちのいい尾根が続いた。桜は残念だったが、初夏を思わせる芽吹きが山全体に緑のアクセントを与え、小さな花々がいたるところに開花している様は、季節の移り変わりを強く感じさせるものだ。それとラッキーだったのはカタクリを発見したこと。可憐な花弁は心身ともに癒される。

 道標に従い和田へ下っていく。せせらぎが聞こえ始めると間もなく集落に入った。どこの家も桜を中心に様々な花のつく木々を植えているので、とても明るく賑やかだ。道端にはしっかりした無料休憩所も建てられていて、観光への配慮が垣間見れる。

 花粉アレルギーと膝痛にはやられっぱなしだったが、やはり春先の山はいいものだ。GWを過ぎると低山は徐々に熱波が押し寄せてくるので、近々にあと二座ほどは回ってきたい。

歩行距離:9.3Km
所要時間:5時間18分

バンドやろうぜ!!

 去る四月七日(日)。知人のロックバンド【QTw30’s】のライブが豊田で行われ、その際にゲスト参加として五曲ほど絡ませていただけた。
 観衆の前でギターをかき鳴らし、マイクに向かって歌うのは実に五十年ぶりだが、ロックバンドならではの大音量はこの歳になっても劇的に気持ちを高揚させる。さらにリズムに乗ってくれば、もはや陶酔の世界へとまっしぐらで、「これだからやめられない!」とはまさにこのこと。

 会場である“スタジオB♭”はその名のとおり音楽スタジオである。劇場タイプのライブハウスではないから、客席スペースの確保はいくら工夫しても二十名から二十五名ほどがリミット。しかし、設備と音響のよさは折り紙付きで、実にクリアな音での演奏を楽しめる。PAシステムも完備され、ライブの際はスタジオのオーナーが直々にミキサーを買って出てくれ、音のバランスに不安はなかった。
 当日は二十名の観客を目の前に大いに楽しんだ。
 高校時代の友人や前職の同僚も駆けつけ、演奏が始まる前から音楽一色の話題でムードは最高潮だった。


 バンマスの柏さん、ベースのケロちゃん、ドラムのママ、そしてB♭のゲンさんには感謝々々である。

かつや 三鷹上連雀店

ロースかつ定食

 こんちくしょうなことに、なかなか右膝が治らない。イライラが募るのは、完治までもう一歩のところまできているのに、足踏み状態が続いているからだ。春になって気温が上昇してくれば、これまでのことが嘘のようにスキっと快調!と確信していたからなおさらである。それでも毎日行っているジョグ&ウォークとストレッチは確実に功を奏しているので、しっかりと続けていきたいと思っている。

「ん? ど、どーした、なんかつっかかってるぞ」
 女房の嫁入り道具である箪笥の引き出しが壊れた。もっとも四十年近く使っているので、むしろ耐久性は高かったと言える。しかも底板の一部が割れて外れただけなので、木工ボンドと細い釘が五~六本もあれば十分に修復できそうだ。
「今日はパート休みだろ? あとでコーナン行こうよ」
「じゃお昼は“かつや”だね」


 女房はかつやのファンだ。理由はコスパのよさ。これは頷ける。ロースかつ定食が792円(税込)とは泣かせる価格。かつは120gなので肉厚とは言い難いが、そこそこの風味と食感は楽しめる。ご飯も普通盛りでしっかりとした量があるし、豚汁も及第点レベル。それとテーブルに備え付けの割干大根漬がこれまたGoo。
 外食産業の人手不足は今や深刻な社会問題となっているが、ここは安泰のようだ。しっかりとした人員配置ができていて、皆てきぱきと動いている。こんなところが好況の要因なのだろう。

春真っ盛り

 四月二日(火)。朝から青空が広がり、気持ちのいい空気感に包まれた。近所の桜はやっと咲き始めたところだが、こんな日は気持ちよく撮れそうな気がして、ハンドタオルと多めのティッシュをバックパックに入れて井の頭公園へ向かった。今年の花粉アレルギーは正直きつい。
 軽快に自転車を走らせつつも、三鷹駅前を通過するころには早くも目が痒くなってくる。公園の駐輪場に到着すると今度はくしゃみが三連発。飛びまくる花粉は多そうだ。
 池の畔まで下りてくると、桜を眺めつつ闊歩している人達はわんさかいたが、これに対して開花の状態は全体でまだ七分。被写体としてはやや寂しい。ただ、桜以外の花々があちらこちらに顔を出し、公園はまさに春真っ盛りといった様相だ。
「絵を描いているところ、撮らせてもらっていいですかね」
「あはは、撮るほどの画じゃないよ」
 とはおっしゃったが、筆遣いを見れば相当のキャリアを積んでいることは一目瞭然。春のあたたかみを感じさせる素敵な画風だ。
 池を一周する間に十回以上も鼻をかみ、ちょっとヒリヒリしてきた。メンタムを忘れたのは大失敗。

本日の機材:ニコン D7000+タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD

写真好きな中年男の独り言