人波・a-nation

味スタ

8月29日(土)~30日(日)の二日間。職場の目の前、味の素スタジアムでは、エイベックスグループが主催する“a-nation”が行なわれた。さすがに恒例のビッグイベントだけあって、雨模様にもかかわらず、集客一日5万人と、恐ろしい人波が静かな町“飛田給”を埋め尽くした。
飛田給駅前には、セブンイレブン、ローソン、ローソン100、スリーエフ、マクドナルド、オリジン弁当、庄や、バーミヤンと並んでいるが、どこも活況を博し、午後に飲み物と甘いパンでも買いに行こうと馴染みのローソン100へ寄ってみたら、レジにできた行列は店内を一周していた。
おにぎりやパン等は既にSold Out間近で、しょうがなく残りものを買うことにした

「お客さんいっぱいじゃない!儲かっちゃうね!」
「駄目っすよ、オーナーはいいかもしれないけど、俺たち従業員は関係ないっすもん」

とは、頑張り屋の店長。
まっ、確かにそうだ。

30日(日)の夕方に、弊社の常連さんであるタクシードライバーが来店したので聞いてみた。

「昨日は儲かったんじゃないですか?!」
「だめだめ、土曜はお客さん少なかったよ」

意外な答えである。

「お客に聞いたんだけどさ、何やら“ただ券”配ってたらしいよ」
「えっ、ほんとに?! そりゃ驚きだな~」

a-nationもそろそろ潮時か?!
調べれば出演者の半分以上は一度も見たことも聞いたこともないアーティストばかりで、一部の熱狂的なファン達によって成り立っている感は否めない。
但、買い物の不便さはあるとしても、コンサートやJリーグを行うたびに飛田給の街が活況を帯びることは嫌いではない。
人波は不思議と気分を高揚させ、マンネリ化した毎日に小さな抑揚をつけてくれる。
それに普段見ることのできない人種を観察できるのも、結構な楽しみなのだ。

若い頃・デニーズ時代 7

飲食業には元々興味があって、薄々自分に向いている仕事ではないかと思っていた。

学生時代に色々とやったアルバイトの中でも、喫茶店のウェイターと洋食屋の厨房へは自然に入り込むことができたし、難しさの中にも楽しさを見いだせ、けっこう積極的にやれたよう記憶している。
反面、吉祥寺の東急デパート建設工事やTRC流通センターでの仕事はひとつも面白味を感じられず、単なる銭稼ぎの手段として割り切っていた。
肉体労働や単純反復的な作業等は、どうも私には向いてないようである。

こんな背景があった為か、デニーズでの生活には入社早々からフィット感を覚え、新しいことを教わった際も、スムーズに理解できたように思う。
そしてもうひとつ。
デニーズには如何にもアメリカ生まれらしいシステマチックなキッチンシステムが備えられていて、これはアルバイト時代の洋食屋の厨房とは抜本的に異なるものだった。
高品質な料理を短時間且つ大量にサービスできる様は単純に驚きだったし、一日でも早くこれを駆使できるようになりたいと、非常に前向きな気持ちになれたのだ。
とにかく徹底した作業動線の追求は見事だった。
生産性の高い仕事を行う為に、キッチン内の調理器具、食材、プレートなどを絶妙な位置に配置し、クックは体の向き変えだけで殆どの作業が事足りるようにできている。

キッチンでのクックの立ち位置(ポジション)は基本的に3ヵ所あり、それは“グリル板”、“センター”、“フライヤー”だ。ちゃんとした準備と一人前のクックが3名いれば、1時間で客席が1.5回転から2回転するランチライムでも支障なく料理を提供することができるのだ。

先ずはグリル板。
その名のように、このポジションには大きな鉄板が配置され、パンケーキ、フレンチトースト、ホットサンド、生姜焼き、グリルサーモン等々を調理する。そこから180度振り向くと、下側が冷蔵庫になっていて、食材を常時冷たく保存するコールドテーブルがあり、ここでは主にサラダ、サンドイッチなどを作る。コールドテーブルに並べられた大小のステンレス角形容器(インサート)には、トスサラダ、ホワイトアスパラ、トマトスライス、サラダ菜、サニーレタス、スイートコーン等々が整然と並び、それぞれは腕を伸ばす範囲にあってスピーディーに調理を進められる。

次はフライヤー。
全自動のフライヤーが3機配置され、フレンチフライ、オニオンリング、エビフライ、ホタテフライ、フィッシュフライ等を揚げていく。
反対側は大きな“湯せん装置”であるホットテーブルになっていて、コールドテーブルと同様にインサートで仕切られており、そこにはミートソース、ドミグラスソース、カレーソース等が並んでいる。
因みにフライヤーの隣にはピザオーブンがあり、その先には並んでリーチイン型冷蔵庫が配置され、プリパレーション(下ごしらえ)されたピザやクレオールを保存してある。扉を開いてサッとピザを取りだし、隣のオーブンへ入れるのは瞬時である。

最後はセンター。
このポジションにはクッキングをひととおりマスターした者が立ち、ライスをよそう傍ら、両サイドをフォローし、ワンチェックのディッシュアップが同時にできるようコントロールするするのがメインの仕事になっている。
“できるセンター”がいるとピーク時の回転率が大幅にアップし、質の向上並びに売上の向上が得られる。もちろん両サイドのクックの生産性は限りなく高まるのだ。

「オーダー入ります」
「はい!!」
「ワンピザ、ワンシェフ、ワン丸ワ、ワンPジンジャー」
「はい!!」
「FF、落としすぎるなよ」
「スピナッチあおって」
「それからライスオン、終わったらトスサラやっといて」
「はい!!!」
「それから堀口君、テンプレ、キュープレ、補充よろしく」
「ました☆」
「三沢さん、そのスープといっしょにサラダもね」
「はいありがとう!」

業界用語だらけで、よく分からないと思うが、こんな感じでてきぱきとテンポ良く、センターは両サイドのみならず、フロントメンバーであるMDやバスヘルプにも的確な指示を出していくのだ。
既に気持ちだけは一端のデニーズマンとなっていた私は、濱村さんの華麗なセンター業務を見てうっとりするばかり。
一日でも早くセンターのできるクックになりたいと、日々の業務に力が入っていくのであった。

かゆみ止め

かゆみ止め

私は肌が弱く、また、敏感でもある。
Tシャツのタグには鋭敏に反応してしまいチクチクヒリヒリ。その内に肌は赤くなって痒みが走る。
汗っかきでもあるから、夏中、汗疹に苛まれる。
更に蚊にはとても好かれるタイプのようで、傍にいる人が刺されなくても、ねらい打ちの如く私だけに襲いかかってくる。血が美味いかどうかは定かでないが、鬱陶しいことこの上ない。

こんな私にとって唯一の救いが、ス~ッと冷たく染み込んでいく液体痒み止めだ。もっぱらの愛用品は近江兄弟社の【メンターム ペンソールSP】。一夏で55ml入りを最低4本は購入する。常時身近に置いておき、ちょっとでも痒みを感じたら空かさずこれを塗る。
特に首回りの汗疹には素晴らしい効き目を発揮してくれる。ス~ッときた直後にじわっと染み入る痛みが結構強烈で、思わずしかめっ面になるほど。
ところがこの痛みが癖になる。正直言うと、快感だ。
開封後の薬効成分がビンビンの時などは、痛みを通り越して息が止まるほどの電流が走ってしまう。

35℃を越える酷暑の夏も、ペンソールSPがあれば何とか乗り切れる。

写真好きな中年男の独り言