酒を親しむ

daiba_aqucity

東京湾の夜景はお台場“アクアシティー”の駐車場から撮ったものだ。
偶然見つけたこの場所だが、なかなか上等な景観を味わうことができる。
人工の光りに浮かび上がるベイエリアは、夕暮れ時に最上の艶やかさを放ち、見とれているとついつい時間の経つのを忘れてしまう。
品川埠頭、屋形船、そして自由の女神もいいが、階下のガーデンテラスも賑やかでいい。アフターファイブに海風を感じながら飲むビールはさぞかし美味いだろう。

ビールと言えば、若者のビール離れが加速しているそうだ。
聞いたところによると、驚くことにあの“苦味”に抵抗感を覚えるらしい。ビール党からしてみれば非常に嘆かわしい話になる。
そもそも居酒屋で大いに飲んで語る若者の姿もずいぶんと少なくなったような気がする。
少子化の問題はさておいても、“酒を親しむ”というステータスと文化が、若者の世界から消滅しつつあるのではなかろうか。

朝夕はだいぶ涼しくなってきた。
秋刀魚が恋しくなる季節である。
美味い吟醸酒と合わせて楽しめればこの上ないことだ。

カメラ遍歴

d2hsNikon D100を手に入れた頃は、カメラ業界総じて本格的なデジタル一眼レフ時代の幕開けに浮かれに浮かれ、特に大手二社であるNikonとCanonの開発パワーが炸裂、しのぎを削る技術戦争はカメラを家電へと変えてしまう微妙な弊害も生んでしまった。
毎年発表される新型は、決まって画素数、ISO、連続撮影枚数が向上していて、ローパス自動クリーニング、人面認識、動画撮影等々の便利機能も次々に付加されて行った。
昨今ではこれにフルサイズの低価格競争が加わって、ユーザーはデジイチを購入しようにも、どのモデルが自分に合っているか、選択では大いに悩むところだろう。

大概の趣味には、その使う道具として、所有感を刺激するフラッグシップモデルやプロ用機器というものが存在する。
もちろんカメラの世界も然りで、デジイチを多少かじった方々ならば、Nikon D4やCanon 1D X等に対して少なからずの興味を抱いたことがあると思う。
私の所有するプロ機・Nikon D2Hも、たまに行うローパス清掃の試し撮りの際、コンシューマーモデルとは一線を画く上質なシャッターのタッチと音に、毎度のこと笑みがこぼれてしまう。
しかしそんなD2Hも最近では精々年に1~2回ほど持ち出すだけで、日頃はバッテリーを抜かれてハードケースの中で眠っている。
プロ機と言えども、画素数、ノイズ等々、スペック的には現在のレベルに到底至らないが、作り出される画は深みを感じる絵画タッチで、それはプリントアウトした時により一層鮮明となる。
だったらなぜ眠らせているのか、、、
それは重いことに尽きる。
私の場合、撮影の殆どが山歩きと街中スナップなので、見るからに大きくて重たいボディーは、お荷物感ばかりが膨らんでいき、気が付けば長所を覆っていた。
富士フイルム・FinePix150から始まったデジカメ遍歴だが、Nikon D100でデジイチの面白さと可能性を知り、あらゆるアングルで撮影ができるCoolPix5000では嬉しさが弾け、更にNikon初となるオリジナル撮像素子【LBキャスト】を搭載するプロ機D2Hに至っては、全くストレスを感ずることなく豪快にシャッターを切り続けられる快感に嵌ったのだ。

それぞれのカメラにはそれぞれの良さが存在するが、分かった事実はどれも万能ではないところ。
だから次々に食指が延び、今はNikon1 V2にくびったけなわけだ。
しかしこのプロセスは趣味ならではの楽しさがあり、写真にのめり込んだ人なら大概同じ道を辿るものではなかろうか。

ニコン1 V2

Nikon1 V2について少々…

V23年前にニコン製ミラーレスが発売された当初は、それほど興味を惹かれる対象ではなかったが、撮影の殆どがスナップとアウトドアになりつつある昨今では、軽さと携帯性はとても重要な選択ポイントになってきた。この条件を満たして上で、要求する最低限のカメラ性能を考えると、自然に視線はNikon1へと向いてしまうのだ。
EVF(電子ビューファインダー)装備、しっかりとしたホールド感、ダイヤル/ボタン類の使い易さ、そして好みのデザイン。
選定要素はずばりV2を指していて、購入時の迷いは全く無かったと言っていい。
以前、ヨドバシカメラの店頭で2~3度ほど触ったことはあったが、実際に箱から出して手にとってみると、ビックリすることにその重量感はCoolPix S8200とさほど変らない。更にレンズを装着しても、ホールド性の良いグリップのおかげで重量らしき重量は殆ど感じられないのだ。
半日以上歩き回る街中スナップでは、本当にありがたい“性能”になるはずだ。
先日の鎌倉スナップでも、最後まで撮影の意欲を持続できたのは、荷物としての負担が小さいことに他ならない。

V2の撮像素子は1インチサイズのCXフォーマットである。その横幅は13.2mm。これは昨今のコンデジに採用されている1/2.3型(横幅:6.2mm)の2倍とかなり余裕があるが、一般的なデジイチのAPS-Cサイズ(横幅:23mm)と比較すれば約半分と少々心細く、画質に対しては過大な期待を持たない方が賢明だ。
試し撮りはまだ鎌倉スナップ1回だけなので、今時点でのコメントは難しいが、さすがに一素子が小さいが為、高感度は苦手と判断していいかもしれない。
ISOも400程度ならば、見られるレベルを保持できるが、ISO800まで上げてしまうと、徐々に色ノイズ(偽色)が気になり始める。
何だかんだ言っても、V2はNikonミラーレスのフラッグシップ的存在。よってこの立ち位置を考えれば、もう少々手を入れても良かったのではないだろうか。
この他はやはり鈍い読み込みスピードに尽きる。バッファメモリーの増設が簡単安価にできれば問題はないが、現実は無理な話なので、更に高速なSDカードでも手に入れてあんばいを見ようかと思っている。但この方法、機種によってはずいぶんと改善されることがあるようだ。
今後はSituationを変えつつ試し撮りを続け、操作をマスターすると共に、様々な角度からレポートを行いたいと思っている。

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