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街中撮影

 花粉を避けるため、引きこもりな毎日が続いている。そんなことで読書量の増加が半端ではない。現役時代と比べればおおよそ倍だ。好きな読書なので不満があるわけではないが、この頃では物語世界への没入傾向が著しく、今が現実か否か一瞬わからなくなることさえある。やはり適度に屋外へ出て新鮮な空気を吸い込まないと、前頭葉の働きが鈍くなるのだろう。

 今日はちょっとした用事があって立川まで行ってきた。駅周辺は一昔前の面影が微塵も感じられないほど大きな変貌を遂げている。特に北改札をぬけて、ヤマダ電機前の広場に立つと顕著に感じる。ビルの合間にモノレールが走ることにより、幾何学的な美しさが加味されたように思う。せっかく外出したので、暫し駅前で撮影を行うことにした。出かける際はたいがいカメラは持参している。
 久々の街中撮影は新鮮で、ファインダーを覗いているだけで次から次へとイマジネーションが湧いてきた。一時間弱はあっという間だった。

家の中で

(左)ダンスパーティー  (右)モッコウバラ

 庭の植物が活況を帯びてきた。
 玄関前にあるダンスパーティーの新葉とモッコウバラの蕾が、春を察知して順調に成長している。植物の生命力ってのは本当に大したものだ。月末にはソメイヨシノの開花も始まるし、そうなってくれば山々の新緑が一気に加速するだろう。
 ただ、ここ数年は花粉症が悪化の一途にあり、三月の山歩きはどうにも腰が引ける。特に目のかゆみがひどいときは、山はおろかちょっとした外出も躊躇する。そんなわけで、広がる青空を恨めしく見上げつつ、部屋にこもって黙々と読書に勤しんでいる。川上未映子の『夏物語』が最近の一番か。

 昨日、NHKのBSで『男はつらいよ 奮闘篇』を鑑賞した。久しぶりの寅さんだったが、思いのほか見入ってしまった。四十八作にもなる人気シリーズに成長したことは、それなりの魅力があるからだ。
 ストーリーはいたってシンプルなものの、渥美清を筆頭とするお馴染み役者陣の演技が唸るほどすばらしい。一例では、寅さんこと渥美清と駐在さん役の犬塚弘のやりとり。何ともリズミカルで、その間合い等々はそれこそコント55号や志村けんにも影響しているのではなかろうか。あとは昭和ムード満点なのがいい。昭和という時代背景があったからこそ寅さんは生まれ、そして光ったのだ。

ゆるくおおらか

 嬉しいことに、知人のK氏が主宰するロックバンドから、“ちょっとやらないか”とお誘いをいただき、五十年ぶりにギターを抱えて歌うことができた。
 いまさらだが、数名が集まり音を重ねあうひと時は楽しいものだ。私を含めるとバンドメンバーの平均年齢は六十五歳を超え、大学時代のロックバンドを思い返せば、ずいぶんと様相は異なるが、この年齢になって再びバンドを楽しめるなんて思いもよらなかったから、とにかくハッピーである。度々ミスや音が外れることもあるが、シビアに追求することはなく、それも含めておおらかに楽しんでいる気風がこれまたGoo。今の私にはちょうどいいあんばいだ。

 細かい、変なところに感が鋭い、心配性、考えすぎ、ちょっとわがまま。こんな性格をもって人生のこれまでを過ごしてきた。この人となりが様々なシーンで功を得たり、はたまた失敗を起こしてきたわけだが、良いにつけ悪しきにつけ気持ちの起伏は激しく、気がつけば最後に決まって気疲れが残った。
 もちろん性格そのものは変えられないが、職責から離れた今を考えれば、何をするにも“ゆるくおおらか”でいいのだ。目指すは真のストレスフリーライフ!!