紅葉の季節である。
よくチェックしているウェザーニュースの紅葉情報トップ画面でも、見頃マークが日に日に増えてきて、秋真っ盛りがひしひしと伝わってくる。
富士箱根、奥多摩、鎌倉等々、東京近郊のメッカと呼ばれる地域では、天候にさえ恵まれれば、11月末頃まで毎週末、大勢の観光客が押し寄せることになる。
そう、私の大好きな伊豆半島もこれからが本番。例年だと今月の半ばから色づきが始まり、天城の渓流沿いでは、水の流れと紅葉が作り出す、年に一度の“色彩ショー”が繰り広げられる。
なかでも“滑沢渓谷”は知る人ぞ知る紅葉撮影のグッドポイント。国道から目と鼻の先ほどのエリアなのに、深山ムードに浸れ、景観の多様性も十二分に期待できるので、じっくりと腰を据えて撮影に臨めるのだ。
狩野川と滑沢川が合流する周辺では、一枚岩の上を滑る水の流れに艶やかな赤と黄色が相俟って、思わずシャッターを押し込む指に力が入ってしまうほど。
一般的に伊豆と聞いて最初に頭に浮かぶのは温泉と海あたりだと思うが、なかなかどうして山や渓流も大きな魅力を放っている。寧ろ、南北50km、東西に20kmほどのエリアに、これほど多岐に渡る要素が網羅されているのは希有なことではないだろうか。