昭和44年。親父に借りたカメラは修学旅行の楽しさを倍増させた。
神社仏閣や古都の町並み、そして友人や好きだった女の子も、全て撮り捕って自分のものとし、暫し眺めては一人悦に入った。
大学生活の終りに念願の一眼レフ・キヤノンAE-1を入手。親父のカメラとは比較にならない機能と操作性に、考えもしなかった撮影の快感に浸りきる。
平成10年。ひょんなきっかけで手にしたデジタルカメラは、それまでの写真ライフを一変させた。撮影枚数の縛りから解放できれば、シャッターチャンスに躊躇はいらない。
撮影機会ロスの軽減は行動力を呼び起こし、今では山歩きを含めて、どこへ出掛ける時もカメラを携帯するようになった。
平成26年。還暦に到達した我が身を振り返えれば、残された人生の展開に突き当たった。しかし先は見えず、寧ろ芳しくない未来だけが日々重さを増してのし掛かる。
あと数年は続けたい仕事、そして老いぼれるまで楽しめる遊びについては再考の必要があるだろうし、それを支える健康管理は絶対に外せない。
崖にはまだ距離があると信じる、平々凡々な中年男の独り言に一笑あれ。