露出ブラケット撮影

 よく目を通すウェブサイトに、カメラのキタムラがプロデュースする『ShaSha』がある。新製品のインプレから著名な写真家による撮影チップス等々、興味深い記事が多々掲載され、楽しみにしている。
 先日何気に開いてみると、プロ写真家の齋藤朱門さんが書いた、<風景写真撮影テクニック ~露出ブラケット編>に目が止まった。特に風景写真では輝度差のあるシーンが多々あることは写真好きの皆さんなら痛いほどお分かりと思うが、そんなシーンで普通にシャッターを切れば、白飛びか黒つぶれになることは間違いない。私はこれに対しGND(ハーフNDフィルター)をよく使う。製品はコッキンのソフトグレー2・ND8で、プラスティック製だが、それほど傷がつきやすいこともなく、軽くて使いやすい。何より安価なところがおすすめだ。昨年末の伊豆撮影行では、富士山や夕日を狙うことが多く大活躍した。画像確認と露出補正を繰り返せば、ほとんどの場合求める画が切り取れ大満足。ただ、それでも調整しきれない場合のみ、Photoshopで部分レタッチしている。

 撮影方法は引き出しが多いほどチャンスを逃さない。記事の中にあったような地平線に沈む夕日や、中心部に強い陽光が当たっている場合等は、一枚のGNDでは対処しきれない。そんなこともあり、先ずはこの露出ブラケット撮影を実際に行ってみようと、三脚とα6000をバックパックに入れて井の頭公園へ出かけてみた。
 設定はISO・Auto、絞り優先F5.6、ブラケット範囲 -2.0EV~0~+2.0EV。
 被写体は輝度差があるものないもの、ランダムに選んだ。合成はPhotoshopの自動処理・HDRProを使わなければならないので、撮影現場では仕上がりを確認できない。久々にフィルムカメラの時代を思い出す。

 期待感はもちろんあった。ところが出来上がった画は何とも言えないもの。この日は曇り空だったので輝度差はあまりなく、たまに西に空の雲が切れて、強い陽光が降り注ぐこともあったが、おおむね露出ブラケット撮影の必要としない場面だと思われた。それと、撮った画像によって合成後の仕上がりに大きな差が出ることが判明。不自然に空の青味が上がったり、逆に全体の彩度が落ち込んだりと、後処理が必要になるものが多く、現時点では“難しい”が本音。今後は実際の風景撮影の現場で再トライしてみようと思っている。


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