頭を抱える事態 その3

今年2月から待ちに待った年金受給者となった。長く務めた会社を一旦退職し、週4日勤務の嘱託社員として再雇用してもらったのだ。
週休3日はこれまでに経験したことのない自由な時間に溢れ、念願の撮影三昧に浸れると、それはもう夢は大きく膨らんだ。
ところがそんな矢先、コロナ騒動の勃発である。
好きな奥多摩へ行こうにも、エリア内の駐車場は全て閉鎖になるし、更に一部の登山道が立ち入り禁止になるなど、日が経つにつれ外出自粛への具体策が次々に実施され、山行計画は全て消え去った。
外出自粛が浸透しつつあることは良い傾向であるが、反面、他県ナンバーの車を煽ったり、罵声を浴びせるなど、辛抱の限界を超えた事件の多発は憂慮すべき点だ。また、家庭内DVが目立ってきているのも見逃せない。
これらの事例は、市民のメンタルがボディーブローを浴びるように、少しずつだが確実に崩れてきている明らかな証拠と言える。

休日になれば、山を歩いたり、スナップ撮影で街を徘徊したり、はたまた昼呑みと、外の空気を吸うことが好きな我が身にとって、この現況は非常に辛いものがある。同様に感じている方々はそれこそ五万といることであろう。
この溜まる一方のストレスに対して、ただ茫然と構えていたらとんでもないことになりそうなので、何かしらの対策を講じなければならない。但、趣味のある方でも、それが“3密”に触れるようであれば、新たな工夫が必要だ。
手っ取り早いのはオンライン化。麻雀が好きな方だったら、ダメもとでいいからオンライン麻雀へトライする。4人で囲む臨場感はないものの、いつでもどこでも一人で参加できる利便性は捨てがたい。
私はやはり写真が好きなので、自宅の庭に生える雑草を撮ったり、一日二度の散歩には必ずカメラを持参し、町内に潜む被写体探しを楽しんだりしている。
それと以前から大の読書好きなので、外出自粛のおかげ?でずいぶんと読書量が増えてしまい、週に一度のブックオフ通いが欠かせなくなった。
店内へ入ったら、必ず“文庫本100円コーナー”へと進む。

よく考えてみて欲しい。たったの100円で、時の経つのも忘れて没頭できることなど、見つけようとしたって見つかるものではない。ハラハラドキドキ、時として涙ありの感動は、映画のそれさえ上回ることだってあるのだ。
外へ出られない現況を逆手に取って、ぜひ読書を始めてはいかがだろうか。

吉田修一の【悪人】
おすすめします。


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