猿橋

11月7日(水)。予想を超えるお気に入りとなった“タムロンSP70-300mm”を使いたくて、やや紅葉ピークには早すぎたが、大月市の猿橋へと車を走らせた。
猿橋は岩国の錦帯橋、木曽の棧と並ぶ日本三奇橋のひとつだそうで、国の名勝に指定され、紅葉のメッカとしても著名である。これまでその脇を通ったことは幾度かあるが、訪れるのは今回が初めてだったので期待は膨らんだ。

中央道・上野原ICをおりて国道20号を西へ17Kmほど走ると、右手にその入り口が見えてくる。あまり下調べをせずに来たが、猿橋脇にある駐車場は意外と狭く、車6台で満杯だ。ラッキーなことにちょうど一台抜けるところだったので良かったが、紅葉ピーク時の週末だったら、その手前にある十数台入る駐車場以外にも、有料駐車場を考えておくべきだろう。
D600+70-300mmと広角側フォローにV2と、2台のカメラを肩に下げさっそく猿橋周辺を見て回った。

先日の浅草ではないが、ここでも外人観光客が非常に目立った。このような傾向は日本の隅々にまで至っているのであろうか。日本の良さが認められているようで、個人的には大いにウェルカムである。私も負けじとディスカバリーJAPANを進めていきたいものだ。
猿橋は刎橋(はねばし)という特殊な構造がその魅力となっている。一昔前の乗用車やトラックのリアサスペンションに使われるリーフスプリングのような形状であり、力学的にもその要素を利用していると思われる。
上流側にある新猿橋からは、その美しさを存分に観察することができた。

「カメラマンさん、シャッターいいですか」

“カメラマンさん”と呼ばれても不思議はないか、、、
仰々しく2台のカメラを肩から下げている者は、周りを見回しても私以外にいない。
70歳代と思しき二組の老夫婦が、にこやかな笑顔を振りまきながら近づいてきた。

「これでお願いします」

渡されたのはEOS Kissである。
猿橋をバックにファインダーを覗くと、顔認証システムの赤いマークがバッチリと4人を捕らえているではないか。
D600にも装備されるが、普段使わない機能だけにこれは新鮮。昨今デジイチの機能全てを使いこなせば、撮れない被写体はないのかもしれない。

場所替えということで、猿橋公園へ至る階段を下っていく。
今は枯れ果てているが、沿道はアジサイが延々と植えられているので、季節が当たれば見事な景観を楽しめるのだろう。
川縁まで来ると、足が止まった。
何故ならそれまでの好印象からは想像もできない光景が広がっていたからだ。
見ればここは夏にバーベキューや川遊びができるところなのだろう。その残り香ともいうべき、多くのごみが至る所に散乱しているのだ。特にペットボトルの多さには目を見張った。
利用者のモラルのなさにも呆れるが、それより国が名勝地としている場所のすぐ傍の管理もろくにできない大月市の姿勢には憤りを感じてしまう。
外国人観光客が“おもてなしの日本”に来てこれを見たらどう思うだろう。首都圏だけのパッチワークではなく、東京オリンピックをいいきっかけに、この辺の問題を地方都市にまで広げ、改善していってもらいたいものだ。


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