久しぶりに吉祥寺の老舗焼き鳥屋『いせや公園店』で昼飲みを楽しんだ。
ここの創業は古く、何と60年近くも人気を博し続けているという驚くべき店であり、特に地元民にとっては、井の頭公園と共に吉祥寺を語る上で欠かすことのできない存在となっている。大げさな表現ではなく、“ひとつの文化”と称して憚らないのだ。
昭和の香りがむんむんだった旧店舗。だが、数年前にリニューアルした現在の店舗も大衆居酒屋の雰囲気があってなかなか好ましい。それと店舗が変わってもリーズナブル且つシンプルなメニューが健在なのは嬉しいところだ。焼き鳥盛り合わせ(4本)320円と二合徳利600円でいい気分が味わえるのだから、ちょっと寄っていこうかという気分になる。そう、公園側に向いているカウンター席が空いていれば、意外や落ち着いたひと時も味わうことができるのだ。
この日は一番奥のカウンター席に陣取ることができ、黙々と煮込みや餃子を日本酒と共に賞味することができた。
少々酔いが回りはじめた頃、何気に店内を見回すと、満席の中に目立ったのは若い女性客の多さである。この手の飲み屋では想像のつかない客層だが、吉祥寺という街の特色、そして井の頭公園に面するという好立地が影響しているのかもしれない。何れにしても下町のコテコテ酒場とはひと味違うところが“いせや”っぽくていい。