朝夕の寒さの中にも、少しづつ空気の柔らかさを感じるようになったこの頃。毎度のことだが、桜開花情報が気になってくる。
昨年の今頃は思いもよらない厄介事に翻弄されてしまい、カメラを持って出掛ける気分には到底なれなかったから、今年はその分も含めて楽しんでやるつもりだ。
思い起こせば数年前。気持ちの良い陽気を追い続けるうちに、気が付けば南伊豆まで足を伸ばしてしまったことがある。
最初は伊豆高原辺りでぶらつくつもりだったが、車のウィンドーから流れこむ爽やかな空気が「もっと南へ行こう!」と誘ってきたのだ。
目的はなくとも行けるところまで行って、大海原を見ながら思いっきり深呼吸ができればそれも良しと思った。
「おおっ、こりゃ凄い」
下田を越えて更に車を走らせると、マーガレットライン入口の交差点脇に広がる“菜の花畑”が見えてきた。目映い黄色の絨毯の脇にはピンクの花弁を持つ河津桜が立ち並び、このコントラストが実に見事だった。
これぞ春爛漫。そこに佇めば体中に春色が染み込んでいくようだ。