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小鯵

三共食堂

西伊豆宇久須にある三共食堂は、“小鯵鮨”で知れ渡った、知る人ぞ知る人気の店。
バイクツーリング愛好家御用達の地図“ツーリングマップル”に掲載されたということは、並々ならぬ評判の証しだろう。この地図で目に止まり、ここを訪れたライダーは相当な人数にのぼると思われる。
但、立地は良くない。一般的な観光客だったら決して通ることのない、国道から一本海側へ入った裏通りに面し、店舗の外観も地方にありがちな目立たないひっそりとしたものだ。
しかし三共食堂の小鯵鮨が有名になったおかげで、いつしか<宇久須=小鯵鮨>という図式ができあがり、気が付けば元祖小鯵鮨を名乗る“八起”という店も現れた。
どちらの店が美味いかどうかは、全て主観の範疇にありと断っておくが、往々にして“元祖○○”と称する店で唸るような味覚に出逢った例しはない。

私が思うに、小鯵は日本の沿岸魚の王様だ。
子供の頃に沼津の堤防で良く釣ったという懐かしい記憶も手伝うが、ひとくちフライや唐揚げにすると、先ずは大きな鯵にはない“淡さ”に気が付き、そのうちにシンプルな味わいと食感が酒の肴にドンピシャだと笑みが溢れてくるはずだ。

プリンセチア

プリンセチア

今年こそは絵を描こう!と一旦は心に誓ったものの、気が付けば年末を迎えてしまった昨年。
これを大いに反省し、先ずは始めることが肝心と考え、先週の休日にボールペンを使い、傍にあった“手袋”をとりあえずスケッチしてみた。
小学生の頃は漫画が好きで、教科書の余白に“伊賀の影丸”や“8マン”を描きまくり、それを担任に見つかり大いに怒られたものだ。そんなことがあって、漫画の腕は人並み以上だと自負していたが、どうもスケッチは違った技法と見方が必要なようで、描き上がった手袋の絵はとてもじゃないが人様に見せられるものではなかった。
情けなさと悔しさをぐっと呑み込み、再度じっくりと観察し直して、良くなかったと思う部分を意識しながら、もう一度トライしてみた。
今度は少々時間を掛けて慎重に形をなぞっていったが、やはり思うようにペンが進まず、意図としているスケッチにはまるで近付けない。やはり絵画の基本をある程度分かっていないと、作画の手順を見いだすことができず、これでは何度やっても右往左往するだけだろうと、一端中断して打開策を講じることにした。
但、今更絵画スクールへ通うのも現実的ではないので、こんな時の助け船“動画サイトYouTube”からめぼしい手本をいくつか見つけ出しては、それを繰り返し見てノウハウを蓄積しようと考えたのだ。
最初の計画では、鉛筆でデッサンし、それに水彩絵の具で色付けをするというものだったが、画材選びの段階で既にちんぷんかんぷんとなってしまい、それだったら仕事やプライベートで普段から頻繁に使っているデジタルソフトで描く方が、自分なりに工夫できるし、道具を揃える手間と費用も省けると考え、早速手持ちの描画ソフト“Photoshop”と“Illustrator”でトライすることにしたのだ。

大沢荘・山の家

山の家

西伊豆の松崎町を流れる那賀川。その上流域にひっそりとした佇まいを持つのが大沢温泉だ。
海と港の印象が強い松崎だが、この界隈まで来ると辺りは一気に深山ムードへと取って代わり、流れる空気に潮の気配はない。
小さな橋を渡ると先ずは左手に唯一の旅館“大沢温泉ホテル”があり、集落の最後に立ち寄り温泉である大沢荘・山の家が対岸に見えてくる。
建物は遠目でもかなりな古さを感じるもので、失礼な言い方だが、相当に朽ちた印象である。
現在は脱衣場も含めて完全に男湯と女湯に別れているが、20年程前に初めて訪れた時は驚いた。脱衣場が男女に分かれていたので、何の疑いもなく服を脱いで湯に入ろうとしたら、そこは仕切りのないただひとつの露天風呂、つまり混浴だったのだ。残念なことに女性の姿はなかったが、湯量豊富で広々とした温泉を独り占めにでき、第一印象はとても良かったことを覚えている。
今はその広々さも二分の一に縮小、少々残念ではあるが、ゴボゴボと音を出しながら湧き出てくる源泉の勢いに変わりはなく、野趣溢れるロケーションと相俟ってトータルの魅力に衰えはない。

大沢荘・山の家
静岡県賀茂郡松崎町大沢川之本445-4
■営業時間(年中無休)
5月~8月:8:00~21:00
9月~4月:9:00~21:00
■料金
大人:500円       子供:300円