切れのいいブラックタンが自慢のミニチュアダックス〝ロック〟。
今月14歳の誕生日を迎える我が家の息子だ。
寂しがり屋の甘えん坊だが、元気だけは溢れんばかり。この歳になるまで1~2度の怪我はあったものの、病気らしい病気には罹ったことがない。
そのロックが今大ピンチに堕ちいている。
数ヶ月前にかかりつけの獣医から指摘された“会陰ヘルニア”。それが最近になって急速に悪化してきたのだ。
この会陰ヘルニアという病気は非常に厄介なもので、根治するには手術しかなく、放っておけば排便排尿困難となってしまう。
ダックスやコーギーに屡々見られる病状で、歳を重ね、お尻回りの筋肉が弱ってくると、細くなった筋肉と筋肉の間に隙間ができるようになり、そこへ大腸や膀胱がはみ出てしまうのだ。(hernia)
あるべき場所ではないから、腸や尿道は蛇行してしまい、排出する際に大きな抵抗を生んでしまう。
この病気の原因は今でも特定できていないそうだが、雄の老犬、特に去勢を行なっていない場合に顕著で、うちのロックはずばりこれに当てはまる。
どうやら筋肉の隙間は老化だけではなく、男性ホルモンの作用も影響しているようだ。よって手術は腸や膀胱を元の位置に戻し、筋肉の隙間にメッシュを縫いつけて二度とはみ出さないようにしてから、去勢も同時に行なうという大変な作業になる。
10月1日(水)、手術決行。
ロックがいつもお世話になっているのは【井の頭通り動物病院】の鈴木先生だ。日頃からとても分かり易い治療説明をいただけ、安心感は絶大だ。
手術は設備の整った都内の病院へ移動して行なわれ、執刀は鈴木先生並びに応援の先生とのこと。
手術は午後11:30に無事終了。
女房のスマホに“覚醒しました”とメールが飛び込んできた。
10月3日(金)、午後。
井の頭通り動物病院へ戻ってきたロックの様子を見に出かけた。
鈴木先生の開口一番、
「けっこう酷い状態でした」
隙間から飛び出した腸はとぐろを巻き、まともに便が通過できる状態ではなかったそうだ。
ロックも既に高齢犬。今回の手術は体力的に最後のチャンスだったかもしれない。
この後順調に回復していけば、来週半ばに退院できるとのことだが、生気のない表情と前足に刺さっている点滴を見れば、心底気の毒に思われ、一抹の不安は拭えない。
一日でも早くビンビンに尻尾を振る姿を見たいものだ。