ついこの間、吉祥寺のいせやで昼飲みをした後、久しぶりに井の頭公園でスナップでもやってみようかと、石段を下りて七井橋を渡ろうとしたら、池に大量の藻が発生していてびっくりした。しかもそれは一部ではなく、井の頭池はもちろんのこと、東はひょうたん橋から西はお茶の水橋まで、池の隅々にまで至っているのだ。しかもこれの影響か、公園全体の景観がどんよりとした感じに変わってしまい、何事が起きたのかネットで調べてみた。
するとどうだ。
< 井の頭公園の池が「めちゃめちゃキレイになっている」 >とか、< 水面に揺れる水草が美しい井の頭公園の池 >、< 今年の井の頭公園の池はまるで“モネの絵画” >等々の記事がオンパレードしていたのだ。
ANNnewsCHが取材制作した、汚れてしまった井の頭池を三度のかいぼりから現在の美しい池に至るまでのYouTube動画もあったのだが、どれを見ても読んでも何故かピンとこない。
かいぼりのおかげで、絶滅危惧種の水草「イノカシラフラスコモ」が約60年ぶりに復活したというニュースはウェルカムだが、それよりどんよりとした景観に変えてしまった張本人であるツツイトモと呼ばれる藻の群生を、美しいと感じる人が大勢いることに驚いた。どの角度から眺めても“モネの絵画” とは思えず、確かに以前と較べて水はきれいになったかもしれないが、驚くほどのレベルではないし、弁財天やお茶の水橋周りなどはむしろ汚くなった印象さえある。
七井橋を歩くと水面から顔を突き出すドデカイ鯉の群れ。そこへ麩を投げ入れれば恐いほどの食いっぷり。それを見て集まった子供たちがきゃっきゃきゃっきゃと歓喜する。
これが若い頃から慣れ親しんでいる井の頭公園なのだ。