写真は竹富島を訪れた時に立ち寄った、“そば処・竹の子”である。
この島で“そば処”といえば、もちろん八重山そばの店になる。
蕎麦粉を使った一般的なそばとはまるで異なる風味と食感をもつ八重山そばは、そばと言うより、鰹の出汁がベースとなった“肉うどん”と説明した方が現実に近い。
八重山そばは沖縄そばの一種であり、レシピに若干の違いがあるものの、作り方の基本はほぼ同じだ。
その沖縄そばを初めて食した時、意外にインパクトは弱かった。ところが東京へ戻ってひと月もしないうちにまた食べたくなってきた。
沖縄料理はこの他に、チャンプルー、ラフテー等、いずれも美味しくいただいたが、後日思い出されるのは沖縄そばだけで、恐らく独特なスープの香りがしっかりと脳裏に刻まれたのだろう。
その後仕事で二度ほど沖縄へ出掛けた際も、帰りは必ず那覇空港で沖縄そばを楽しんだ。
竹の子のそばは評判どおりだった。
これまでに経験した沖縄そばと較べると、ややあっさりとした印象を受けるが、出汁の旨みは充分納得のできるレベル。腹が減っていたので真剣におかわりを考えたほどだ。
しかし、食へ過ぎで印象が落ちたらオーナーに失礼なので、ここは腹六分で我慢した。
南国でも10月になれば陽光は優しくそそぐ。
ビーチサイドのベンチに腰掛けて島内地図でも広げれば、海風が心地良く頬を撫で、ついウトウトとしてしまう。この穏やかな寛ぎ感は大変なご馳走だ。
日がな一日、レンタル自転車でのんびりじっくりと島内を回ってみた。