今年も自宅の庭が賑やかになってきた。自然の営みの普遍性がもたらすお祭りの始まりだ。
毎年図ったように顔を出す庭の花々は小さく可憐だが、その生命力はこの上なく強大。ここ二、三年、自宅のある町内では、古い家屋の解体が相次いでいる。更地になって一週間もすると雑草の芽が吹きだし、三か月もすれば、土が隠れるほど成長に勢いがかかる。
もともと土の中に残っていた種子や根が発芽するのだろうが、風に乗って飛んでくるごく小さな種子もあるはずだ。放っておけば、ミニマムな叢となり、そこには昆虫や爬虫類などが生息し始め、一つの立派な生命の空間ができあがる。
うちの庭では相変わらずドクダミが幅を利かせている。草ぼうぼうは一家の恥だと、女房が涼しい時間帯を選んではドクダミ毟りに励んでいるが、その努力をあざ笑うかのように、増殖のスピードは落ちることがなく、数日もすれば、新たなドクダミの小さな葉っぱがあちらこちらから顔を出す。一時、除草剤を使たこともあるが、暫く時が経てば元の木阿弥だ。
それはそうと、今年はダンスパーティーが不作。葉も広範囲に渡って毛虫にやられて穴だらけになっている。これが原因か、開花の数が少なく、通年の半分にも満たない。隣に植えてあるモッコウバラが、年を追うごとに盛大に咲き誇るのとは対照的だ。