美術の森緑地

 六月十六日(木)。武蔵野公園方面へポタリングした際に、はけの道沿いにある【美術の森緑地】へ立ち寄ってみた。ここは洋画家・中村研一(1895-1967年)の邸宅跡で、現在は“はけの森カフェ”が入り営業している。以前から興味があって、一度くらいは覗いてみようと思っていたのがここの庭園だ。

 自転車をはけの森美術館の脇に置き、さっそく冠木門をくぐる。鬱蒼とした木々に囲まれた庭園の中心には池が配置され、こんこんと清水が湧き出ている。よく見れば結構な水量だ。そこから視線を上げると、さすがはけの道。石段は急こう配で上方へと段を重ね、上がり切るそこは薬師通り側の門となっていた。石段の両脇は通る風も涼しげな竹林であり、さすがアーティストの住まいだと感心する。
 そもそもこの辺りは、はけと呼ばれる高低差15~20mの急斜面が野川の北側沿いに東西延々と伸びていて、あるところは急斜面の道路、あるところは石段、そしてあるところは傾斜をうまく利用した住宅となっていて、野川の広い河川敷と相まり、独特の景観を生み出している。この環境があるからこそ、はけの小路と称する単なる小さな水路までが、情緒豊かに見えてくるから笑ってしまう。


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