「センサーの掃除、お願いします」
「D600ですが、有料になりますが」
「えっ?なんで?、D600は永年無料だって、ここのスタッフが言ってましたよ」
「サービス期間が終わりましたので、、、」
「期間があるとは一言も聞いてませんね」
「すみません。しかもセンサーの掃除のみというメニューはなくなりまして、こちらのセットメニューへ変更になりました」
「そうですか、、、それじゃ結構です」
「すみません」
上記は1月29日(水)にニコンプラザ新宿へ出向いた際、カウンタースタッフとやり取りした内容である。
正直なところ、ニコンのやり方にはがっかりだ。D600は発売直後からシャッターユニット動作時に潤滑目的である油が飛散して、イメージセンサーにオイルスポットを作り出してしまう欠陥が公表されており、症状が酷い場合はリコール対応でシャッターユニットAssy.の交換が行われていた。私の愛機も交換済みであるが、ことD600に関しては、事の流れから一律してセンサーの掃除をニコンプラザに於て【永年無料】で行うという対応が出されていたのだ。もちろん永年だから期間などある訳もないので、平然と<サービス期間が終了しました>と言われても、騙された感しか覚えない。
冒頭はニコンプラザのメンテナンス料金を切り取ったものだ。対応したスタッフが言ったとおり、センサーの掃除のみはメニューから消えた。しかしどうだろう、困るユーザーが大勢いるのではなかろうか。
私の場合、イメージセンサーの清掃はD100の時代から全て自分でやっている。シルボン紙とエタノールさえあれば、そう難しい作業ではないからだ。但し、これはあくまでも私の場合である。世の中には手先が不器用だったり、作業の加減がわからない諸氏も少なくない筈。もしも誤ってセンサーに傷をつけたり、エタノールの付け過ぎでショートさせたりでもしたら、その修理費用は十数万円にものぼる。況してD5のように値の張るモデルだったら、自分でやろうにもそれなりの覚悟が必要だろう。
センサーの汚れは、悩ましいことにレンズ交換式カメラであれば、程度の違いはあっても必ず付着する。レンズの脱着をやらなくたって付くのだから困りものだ。そもそもせっかく手に入れたデジイチだったら、レンズを交換しないことは殆どあり得ないだろう。レンズキットで購入したって、経験を重ねるうちに画角の違うレンズを欲しくなるのは人情。写真を趣味とした諸氏の共通した物欲の始まりなのだ。そんな方々が定期的に行う必要のあるセンサーの掃除を、最も低価格と言っても一回に2,750円もするBコースを選ばざるを得ない事実は、メーカーの政策怠慢以外の何物でもない。
ユーザー視点に立つのがニコンだったのに、これではまるでキヤノンだ。