墓参り

3月21日(木)。彼岸の中日ということで、墓参りへ行ってきた。
墓参りはいつも親父と二人でいくのがここ数年の常だったが、親父も御年94歳となって、体のいたるところにガタが出始めてきた。特に膝の具合が一年ほど前から悪化していて、近所の形成外科に通ってはいるものの、歳のせいだろうか今一歩結果が出てこない。
境内の駐車スペースから墓地までは上り坂になっていて、無理をして転んでもしたらそれこそ命取りになることもあり得るので、正直なところ一人で行った方が気は楽だ。但、これまで少々の不調を抱えていても、頑固一徹に「行くぞ!」と意気込んできた親父なのに、元気のかけらもない表情で、「行って来てくれるか」と頼まれた時には、時の流れは残酷なものだとつくづく感じた。
老化は万人に訪れる不可避なもの。しかし実際に衰えていく親を目の当たりにすれば、気分はどうしたって萎えるものだ。

墓は菩提寺である八王子の大仙寺にある。
目と鼻の先には有名な上川霊園があるが、そことは正反対の静けさと歴史を感じさせる趣が特徴だ。初めて訪れた時に、「秋には栗がいっぱい拾えるぞ」と親父が誇らしげに言っていたのを思い出す。
今回は一人なので、久々にじっくりと掃除を行ってみた。うちの墓は墓地の鳥羽口にあるので、手入れが悪いとやたらと目立ってしまうのだ。
春はそれほどでもないが、秋の彼岸は骨が折れる。夏の間に増殖した雑草をむしり取るだけで結構な時間が掛かるし、作業を邪魔する無数の蚊には心底辟易する。

花を差し替え、線香をあげた後に、持参したV2を持って境内と周辺を少しばかり歩いてみた。
国道から100m山間に入っただけだが、喧騒とは無縁の静けさに包まれる。旗日でもそれは変わることがなく、雲の合間から射す柔らかい日差しが春の訪れを感じさせた。
親父には何とか良くなってもらい、秋の彼岸には再び一緒に訪れたいものだ。


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