開花は季節そのもの

寒さの中にも春近しの空気を感じるようになり、リチャードの散歩も徐々に行動半径が広がっていった。
そう、花を探しているのだ。
開花は季節そのものであり、見て歩き回るだけで気分は高揚してくる。
町内の数か所で梅が満開となり、玉川上水では早咲きの“河津桜”が可憐な色合いで出迎えてくれた。
遊歩道に入り三鷹駅方面へ暫く歩くと、知った桜の木が見えてくる。それに気が付いただけで周囲がパッと明るく感じるから凄い。冬枯れした景色に馴染んだ目には、桜や梅の開花は取り分け新鮮に映るのだ。

それと今日の朝、自宅の庭に一輪のタンポポを発見。庭を占拠するドクダミの青い茎や葉の中にあって、タンポポの黄色は良く映え、桜の派手さはないとしても、“春の使い”としてのインパクトは中々のもの。
こうして春は開花から始まり、朝の散歩に防寒ジャケットが不要になったら、あっという間に初夏の香りが漂い始める。

一方、この季節は花粉が厄介だ。2月はまだおとなしいが、3月に入ると平均気温がグッと上昇、それに乗じて大量のスギ花粉が飛来してくる。
慢性鼻炎持ちの私は、季節を問わず鼻の調子が悪いので、花粉の存在はそれほど苦にならないが、目は駄目。
通勤に自転車を利用しているから、多い日にはダイレクトに反応して辛い。
家を出ると、西久保公園の脇から桜通りに出るが、決まってこの辺から目の周囲が痒くなり始め、中央線の高架下を通過する頃には我慢の限界を超える。掻きたくて掻きたくどうしようもなくなるが、ここで掻いたら終わりである。
一度でも掻いてしまえば痒みは増幅され、顔に傷が残るまで掻き続けてしまう。
悶えながらも耐えに耐え、人見街道まで来ると峠を越え、野川を渡る頃にはそれまでの痒みが嘘のように消えてなくなる。
それにしても、この痒み、若い頃には全くなかったこと。
鼻にしろ目にしろ、一体何が原因でこんな症状が出るようになったのだろう。
よく聞く話は、食品添加物や大気汚染の影響で体がアレルギー体質へと変化するとのことだが、もしそれが真実なら恐ろしい社会問題だと思う。


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