西一町会・日帰りバス旅行

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11月7日(金)。町会(西一町会)が企画する日帰りバス旅行に参加した。
年に二度ほど開催されるこのバス旅行は、ご近所さんとの親睦を目的とする肩の凝らないイベントで、参加費も毎回2,000円/一名と非常にリーズナブルとなっている。
今回の概要だが、先ずは有明にある“東京臨海広域防災公園・そなエリア東京”にて、首都直下型地震の発生から避難までの一連を体験、昼食は両国のちゃんこ鍋“巴潟”で味噌仕立ての熱々をいただき、最後は“江戸東京博物館”で東京の歴史をじっくりと辿るというものだ。

いなげや武蔵野西久保店の駐車場には、いつものように大型の貸切りバスが駐車していた。

「おはようございます」
「はいこれ、二人分」

女房と私、参加費4,000円を払ってバスに乗り込む。
車内を見回すと、先回と較べてずいぶんと空席が目立つ。
それでも出発時刻の8時前になると、大凡7分ほどの席が埋まることになった。
参加者は男女半々ほど。しかしその平均年齢は見るからに高い。ただでさえ老人の目立つ武蔵野市だが、その中でも我が町内は群を抜いているような気がする。
ロックの散歩で町内はくまなく歩き回っているが、若者を見かけるのは朝夕の通勤通学時だけで、それも僅かな人数だ。
西久保一丁目と二丁目のちょうど中間に位置する“いなげや武蔵野西久保店”は、自宅から最も近いスーパーで、三日に上げず利用しているが、ここも夜遅い時間帯でない限り、利用客には非常に多くのお年寄りが目に付く。

「あといくらお渡しすればいいの」
「4円ですね」
「そう、はいはい」
「・・・・・・」

財布から4円出すのに10秒以上はかかっている。
しかしこの様なレジ渋滞を気にするようでは、これからの世の中に於て精神衛生は保てない。
高齢化の波は地元のみならず日本全体の傾向にあるが、昨今ではニュースなどで報道される数値だけではなく、しっかりと肌で感じる社会現象になりつつあると思う。

皆を乗せた貸切りバスは順調に井の頭通り~環八~首都高と進んでいった。
最初の目的地“そなエリア東京”は、10時の予約時刻前に到着してもバスの中で待機しなければならないとのことで、時間調整として急遽“代々木PA”に立ち寄った。
利用するタイミングを得られないこのPAは、今回初体験である。
施設の2階へ上がってみると、なかなかどうして魅力的な景観が広がっていた。“代々木コーナー”と神宮の森を遮蔽物なしに見渡せるラウンジは、一服場所としてはナイス。都心に入る直前のPAなので、今後立ち寄ることはないと思うが、まだの方は一度下り立ってみたらいかがだろう。

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レインボーブリッジを渡り、お台場ICで降りると、有明方面へ進んだ。
ベイエリアは素晴らしい青空に包まれていた。

「それでは避難体験の説明を行ないます」

首都圏直下型地震に見舞われた時、どの様に避難をすればいいのか、注意点は、必要なものは等々、とても効率的に学習できたというのが感想だ。
先ずは個々に専用端末を持たされて地震シミュレーションルームへと案内される。薄暗いエリアには倒壊した建物、折れた電柱、潰れた車、火災が発生した店舗などが配置され、音響と共にやや緊迫したムードが漂う。
端末に指示が入り、クイズ形式でそれに答えていくと、何が良いのか悪いのかを流れの中で教えてくれる。
避難エリアまでたどり着くと、今度は指導員の方から備蓄すべき食糧や備品の説明を受けた。
そして最後、直下型地震が東京を襲い、その時たまたまお台場で遊んでいた子供達が周りの人達に助けられながらも、何とか成城の自宅までたどり着くというアニメ映画を観て終了となる。
うちもそうだが、近い将来首都直下型地震が起こりえる可能性を認識しつつも、具体的な対策を立てている家庭は少ないのではないだろうか。

バスは清澄通りに入り、門前仲町を経て両国に向かった。お楽しみの昼食タイムである。
両国といえば、そう、“ちゃんこ鍋”。今回は老舗ちゃんこ鍋店『巴潟』で熱々をいただく。

「生ビール3つと、冷酒3つ」

我々のテーブル、メンバー皆やる気だ。
もっともこのSituationでアルコール断ちは酷である。
うまい食い物は酒と合わすことにより、その味わいを倍増させるのだ。
味噌仕立ての汁が野菜や豆腐にしみ込みいい風味を出す。鮭の切り身はしょぼかったが鰯のつくねはGoo。やや濃い味を冷たいビールで流せば幸せほっこり。
スタートはビールだったが、目の前に陣取る前町会長と現町会長がやけにうまそうに冷酒を飲むので、ついつい、

「冷酒一本ください」

箍が外れた。
鍋を突き、歓談しながらの酒は進む。体の中心からぽかぽかと暖まり、既に背中は汗でぐっしょりだ。

ー 鍋、、、”Simple” is “best”の典型だな。

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ほろ酔い気分で向かったのが、“江戸東京博物館”。
両国駅前にそびえる7階建てのBIGな建物は、今では新たな町のシンボルになっているようだ。
5階と6階が常設展示場となっていて、順路の入口は6階にある。
エレベーターのドアが開き、前へ進んでいくとビジュアルを意識した巨大な空間が広がる。
この瞬間、酔いはどこかに飛んでいった。
豊富な資料と復元模型は歴史を分かり易く説明してくれ、ついつい時間は忘れがちになるが、江戸が東京へ至るまでの流れを綿密に見ていくとしたら、とてもではないが一日掛けても回れない。
この中、印象に残ったのは昭和の生活とB29による本土大空襲。
ここに再現されている昭和は、子供の頃の記憶を呼び起こし、懐かしい思いは安堵となり、現代に足りないものが朧気ながらも分かってくるような気分に陥いた。
反面、絨毯爆撃の記録写真と説明は気分を暗澹とさせた。
既に勝敗の行方が分かっている太平洋戦争末期に、一般市民へ対しこれだけの攻撃を行なう意図とその精神はいかなるものだろう。戦争は人を狂わすと言うが、世界で最も残虐な行為を平気で行なってきたのは紛れもなくアメリカの軍部であり、指導者であることは歴史が明白としている。

今回も大いに楽しめた町会日帰りバス旅行。
ご近所さんとの親睦はもちろんだが、普段ではなかなか機会の得られない“勉強”ができるのも魅力のひとつだろう。
次回は来年の3月頃とのこと。内容次第では是非参加したい。


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