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踏んだり蹴ったり、、、

参った。
どこかに財布を落としてしまったようだ。
入れていた現金は1万円ほどだったので、なんとか諦めもついたが、運転免許証、キャッシュカード、クレジットカード、健康保険証等々は、煩わしい再発行までのプロセスを踏まねばならず、面倒極まりない。

無くしたことに気付いたのは、8月27日(土)の19時頃。退社の準備にかかろうと、いつも財布を入れておくディスクの引き出しを開けたら、あるはずの赤い財布がない。
どこかに置き忘れたのだろうと、事務所内を探してみたが見当たらず、次にショールームもチェックするがここにもない。徐々に焦りが脹らんできたので、一度冷静になって、財布を持ち歩いた経路を振り返った。
この日財布を手にしたのは、昼飯を買いに駅前のセブンイレブンへ行った時のみ。
雨降りだったので、午後2時過ぎに傘を差して駅前へ向かい、財布はいつものようにお尻右側のポケットに入れていた。
駅前へ出ると広場には若者が大挙押し寄せていて、見渡せばどこもかしこも人、人、人。
そう、8月27日(土)~28日(日)の二日間は、味の素スタジアムでAVEXレコード主催の“エイネーション”が開催されていたのだ。
長いレジ渋滞を堪え忍び、やっとの思いでおにぎりとカップ麺を手にすると、釣り銭を財布にしまいセブンを後にした。
【検証その1】
・昼食代を払ったのだから、この時点までは問題なし。

帰りは来た道をそのまま戻った。雨降りはやや小康状態になっていたが、右手で傘をさし、左手には買い物袋を提げるという出で立ちだ。
単純に考えてここが最も疑わしい区間でになるが、ジャリ銭もそこそこに入った財布がポケットから道路面に落ちれば、それなりのショックや音を感じるはず。
店のスタッフに聞いても、皆それは不自然だと口を揃えた。
【検証その2】
・どう考えてもセブンから店までの間が最も怪しいと思うが、やはり忽然と消えた感が残り、しっくりとこない。

店に到着すると、真っ直ぐに2階の総務課にある自分のディスクへ向かった。
いつもだとここで重くかさばる財布をお尻のポケットから抜きだし、ディスクの引き出しへしまうのだが、この行為は余りにも日常的で、当日同じ動作を行なったかどうかは思い出せない。
若し、いつものようにディスクへしまっていたとしたら大変だ。犯人はスタッフの中にいるということになってしまう。
しかしこれは現実的ではないので、やはり徒歩中に落としたと考えるのが妥当だが、もうひとつ引っかかることがあった。
それはスリだ。
赤い財布は二つ折りタイプなので、開口部からポケットに差し込もうとすると、片側が外に出てしまうことがあり、この様な宙ぶらりんな状態だと、その筋の達人であれば容易に抜き取れるのではなかろうか。短時間だが結構な人波の中を歩いたので、この線も捨てられない。

何れにせよ、全ては自分の不注意から起きたことに間違いはない。しかも、財布の紛失は過去に2度もあり、単純な反省だけでは今後も一度、二度と同じ轍を踏むだろう。
【対策】
・札入れと小銭入れで二つに分ける。札入れは常時ザックの中へ入れておき、使うときのみ取り出す。
・余り使わないメンバーズカード類は捨てる。

それにしてもキャッシュカードがないと不便だ。いちいち銀行へ行って引き出すのは面倒だし、しかも銀行の営業時間内に限られる。まあ、再発行の手続きは済んだから、あと一週間少々の我慢ではあるが、その一週間が長い。それと再発行手数料1,080円はどうかと思う。VISAカードも合わせれば2,160円の出費となり、割高感は大きい。
仕事に直接影響する運転免許証は、いの一番で再発行を行った。
府中免許センターへは8:30前に到着したが、同センターの駐車場はほぼ満杯。写真を撮って申請書類に貼り付け、すぐに受付へ提出したが、

「はい、これで結構です。交付はここの二階で10:30です」

早めに来たつもりだったが、2時間待ちとは、、、
再交付申請料:3,500円、インスタント写真:800円、合計:4300円。
金はかかるし時間もかかる。もう踏んだり蹴ったり、、、

追申
つい最近、三井住友銀行では、クレジット機能なしの一般的なキャッシュカードであれば、口座のある支店窓口にて即日交付が可能になったとのことだ。
おかげで昨日、生体認証付きの真新しいカードを手に入れることができた。

トイレで読書

自宅のトイレにはちょっとした棚があり、そこにはお気に入りの本が並んでいる。女房は、<読まないものは捨ててよ>と、余りいい顔をしないが、ページを捲りながらの朝の一時は気分を落ち着かせ、また新たな気づきを得られることもある。
但、数年前に行った痔の手術のおかげで、排便は、実に、楽に、短時間で済むようになったので、以前のように10分、15分と長々読むことはなくなった。その代り一枚の写真を深々と鑑賞したり、著名人のエッセイを1/2ページずつ読み進めていったりと、それまでとは形を変えて続けている。
以下は定番の置本達だ。

【風の旅人】
ひとつ上をいくグラフィック雑誌。センスの良い割り付けによって、文と写真が強力にアピールしてくる。
一般的な写真集とは異なる切り口には新鮮さを覚え、記事もwebサイトや雑誌では余りお目にかかれないジャンルが多く、楽しみながら視野が広がっていく。

【フォトコンテスト】
作品の掲載量は断トツ。よって撮影者の様々な手法を見ることができる。アマチュアの作品でも見事なものが多く、とても参考になる。

【アサヒカメラ】
定番的写真雑誌。立ち読みして写真と特集の内容が気にいれば購入。

【楽しくおぼえる 写真の教室】
読む度に基本の大切さが実感でき、チップス集として活用中。

【鈴木 一雄 著・露出の極意】
画作りのポイントには様々なものが挙げられるが、中でも露出は最も注視すべき項目だ。
そもそも画作りはカメラ任せにするのではなく、仕上がりまでのプロセスを全て自分自身でコントロールしていくものだが、この意味合いをとても丁寧に記述しているのが本書である。
デジタル全盛の時代、撮影画像を作品として仕上げる際にレタッチソフトを全く使わないという方は殆どいないと思うが、その際、大きな補正をかけてしまうと画像劣化や不自然感を伴うことは周知の事実。
だからこそ撮影の時点で限りなく無補正に近いファイルを生成することが望ましい。
本書は著者が提唱する「スポット測光」についての手引き書だが、同時にオート撮影全盛時代に対し警鐘を臭わせる内容も含んでおり、写真好きの方々だったら一度は手に取ってみる価値はあると思う。

仙台観光・一泊二日

松島クルーズ

8月12日(金)~13日(土)。強行は承知の上で、女房と車で一泊二日の仙台観光を楽しんできた。
二人ともこれまでに仙台へ訪れたことはないが、6年前の夏に駆け足で回った東北一人旅の時以来、松島や仙台市内を一度は観て回りたいと常々考えていたのだ。

「松島の町営駐車場だったら常磐自動車道だな」

Googleマップを起動してルートの最終チェックを行う。

「4時間39分って出ているから、5時に出れば休憩を含めても昼前には着くんじゃない」

久々のロングドライブを前に心が弾んだ。
自宅を5時ジャストに出発すると、大泉の外環入口を目指した。早朝の道は案の定空いていて、爽快さはこの上ない。外環に入ってもこれは変らず、快調に飛ばし続ける。
肝心な天候は文句のつけようもなく、楽しくなりそうな二日間に期待は高まった。

「疲れたら代わってあげようか」
「大丈夫だって。目が覚めたらお花畑ってのはごめんだからな」
「・・・・・・」

実はうちの女房、高速道路で運転すると何故かたちまち眠くなる。
以前、沼津で酒を飲み、運転を代わってもらったことがあった。御殿場を過ぎたあたりからいい感じに酔いが回り、ウトウトとしていたところ、恐らく背後霊が起こしてくれたのだろう、突如目が覚めると、な、なんと中央分離帯が迫ってきているではないか!
慌てて女房へ視線をやると、えっえっ?!、こっくりしている!!

「起きろぉ===!」

とっさに左手でハンドルを固定し、右手で女房の肩を叩いた。

「はっ!?」
「左側に車いないから、ウィンカー出して車線変更して!」

スピードも結構出ている。
ドキドキがなかなか収まらない。

「おいおいおい、勘弁してくれよ。マジ危なかったぜ」
「ごめん、、、もう高速は運転しない」

この事件以来、頑なに高速道路での運転を拒んでいたのに、どうゆう風の吹き回しだろう、、、

最初の休憩は友部SA。
さすがに旧盆休みとあって、駐車スペースはほぼ満杯。施設はひといきれが激しく空気が重苦しい。
本線の交通量はそれほどでもないのに、何でこれほどごった返すのだろう。
それにしても犬連れの何と多いこと。

友部からは眠気を誘う淡々とした走りが続いたが、いわきを過ぎると対面通行となり、車窓の景色にも多少の変化が出てきた。
ここまできても抜けるような青空に変わりはなく、運転にはサングラスが欠かせない。

「黒い袋の山、そこらじゅうだね」

運転していても放射能汚染土を入れた黒い袋が、あちこち大量に積まれている様が良く見える。自動車道からでもこれだけ確認できるのだから、帰還困難区域全体では想像を超える量が放置されているのだろう。当日宿泊したホテルのスタッフから聞いた話では、汚染土の中に混入している植物の種子が発芽し、いたるところで袋を突き破ってニョキニョキと顔を出しているという。これでは全く意味をなさないばかりか、何らかの手当てをしない限りこの状態は悪化の一路をたどり、せっかくの除染作業は水の泡と化してしまう。何とも重苦しい課題だ。

「仙台の手前でGoogleマップをセットするね」
「もうすぐ南相馬のSAだけど」
「流れも順調だから、鳥の海PAまで行っちゃおうか」

鳥の海はとても小さなパーキングだった。ハイウェイマップを見ると太字で書いてあったので、PAでもSA並みに施設が充実していると思ったのだ。
このレベルでは続けて車が入ってきたら瞬く間に満車となり、入り口付近でパニックが起きるかもしれない。その為か、規模の割には駐車場係が3名も配備されている。
ナビのセットとトイレだけして、すぐに出発することにしたが、早朝から走りっぱなしの為か、ここにきて目がひどく疲れてきた。

鳥の海PAを過ぎて間もなくすると、道は常磐道から仙台東部道路となり、更に仙台松島道路へと続いていく。
仙台の街並みを眺めていると、しばらくして目的地・松島の直近出口「松島海岸IC」の案内板が目に入ってきた。

「降りたらすぐみたい」
「10分もしないうちに着いちゃうよ」

赤い橋

有料道路を降りて一本道を進んでいくと、前方左側に大きな駐車場が見えてきた。Googleマップでセットした町営の無料駐車場だ。海岸までやや距離を残すが、なにしろ無料だし、それに他の駐車場が満杯だったら厄介なので素直に停めることにした。
車から出ると、直射日光とアスファルトの照り返しが容赦なく襲い掛かる。空気感は爽やかだがこの直射はこたえそうだ。ゆっくり坂を下っていくと、お待ちかねの日本三景・松島の島々が視界に入ってきた。
到着時刻10:15。ということはここまでの所要時間は二度の休憩込みで5時間ちょっと。実に順当である。

「散策の前に湾内クルーズ乗ろうよ」

お一人様1,500円。一瞬高いかなと感じたが、実はこの「松島湾クルーズ」、所要時間50分で結構な内容があったのだ。
乗船後、カモメ嫌いの女房は、一人さっさとキャビンの中へ消えていったが、私は最後部のデッキに陣取った。ここからでないと全景を堪能することはできないし海風も楽しめない。
船は走り出すとすぐに流ちょうなガイドがスピーカーから流れ出した。“右手に見えます○○島はかくかくしかじか~”というやつだ。ところが最初は興味津々で聞き入っていたものの、さほど経たないうちに辟易としてきた。無数にある島々に対して、○○に似ているところから○○島。○○武将がこの島を見た時、兜に似ているところから○○島等々の説明がご丁寧に連発し、それは聞いているうちに異様なしつこさへと変わっていった。島はどれも見てもそれほど特徴はなく、むしろ無理やり何かになぞって命名している感があり、しまいには“静かに見物させてくれよ!”ってことになってくるのだ。
こんなことを述べると、あたかも松島自体がつまらないという誤解が生じそうで心配だが、それは全くない。このような美しく特異な景観はそうそうお目にかかれるものではなく、一見の価値は大いにありと断言していい。全景を見回せる高台から、朝日、夕陽を絡ませたなら、さぞかしPhotogenicな光景となる筈だ。

「潮風に当たりすぎてベトベトだよ」
「そこの水道で顔洗ったら」

朝食は早かったので、既に腹はぺこぺこである。海岸沿いには沢山の飲食店が軒を連ねるが、見れば殆どが海鮮系。その手の類は今夜の夕飯で出るだろうから、ちょっと違うものをと物色していると、あった、洋食屋だ。
テナントの2階にある『グリル玉屋』は開放感のあるオープンキッチンが特徴で、そこには二名の年配男性コックが機敏な動きで料理を上げていた。

「お決まりですか?」
「牛タンカレーとカキフライ定食をお願いします。それと食後にコーヒーふたつ」

こっちへ来ると必然的に牛タンという文字に目が奪われる。それと眼前の松島湾では、いたるところでカキの養殖が行われている。
良く煮込まれたピリ辛のカレーソースに柔らかな牛タンがよく合った。おすそ分けしてもらったカキフライも甘みがあってGoo。
食後は五大堂と赤く長い橋が目印である福浦島を見て回った。良く晴れて日射は強かったが、吹く風に湿り気は少なく、日陰に入ると実に気持ちがいい。

松島から今宵の宿・秋保温泉『蘭亭』へ向かうには、仙台の中心街を抜ける必要があった。
夕方のラッシュがそろそろ始まろうかという時間帯だったので、流れは少々滞ったが、歴史ある並木道が杜の都・仙台を演出するところなど、一般的な地方都市とは一線を描く雰囲気に満ち溢れている。
広瀬川を渡り、R48で仙台宮城IC方面へ走り続けると、間もなくして秋保温泉に到着した。

「仲居さんもフロントマンも感じいいわよね」
「うんうん、ほんとだ」

大滝

蘭亭の第一印象はすこぶる上々。誰も作られた営業スマイルではなく、心から接客サービスを楽しんでいるように見えてしまう。たまたま土産コーナーでは、年配販売員が恐らく高卒女子と思しき新人に対してOJTの真っ最中だったが、教える方も教えられる方も真剣そのもの。
部屋に案内された後は冷えた浦霞で喉を潤し、さっそく温泉へと出かけた。浴衣やタオルを入れて持ち運べるお洒落な籠や、自分のスリッパに取り付けるタグも便利で気の利くアイデア品だが、これはスタッフたちが考案したものに違いない。
温質は単純温泉で食塩泉ナトリウム。硫黄臭が苦手な方にもおすすめである。

夕食は食事処でいただく。
広いフロアに並ぶテーブルとそこに準備された食器類を見渡せば、繁盛宿であることが伺える。
運ばれてくる料理の数々は、品数、量、質、全てに及第点をあげられる素晴らしいもので、これには女房も大満足。特に汁物の味わいは丁寧な仕事を連想させ、他の料理への期待感も上がっていく。
そして最後のデザートまで気を抜かないところなどは、料理長のプライドあってこそだろう。

「こんなに食べたの久しぶり」
「俺だってもうパンパンだよ」

その後、再び温泉に浸かり、早々と爆睡してしまったのは言うまでもない。

翌朝は女房が温泉に浸かっている間に、車で20分ほどにある『秋保大滝』へ行ってみた。
この滝は、幅6m、落差55mもある文字通りの大滝らしいが、私も含め、地元以外でその存在を知る者は少ないだろう。
今回の旅行はあくまでも夫婦の旅であり、撮影行ではないが、出かければカメラを構えたくなるのは写真好きの本能。ここは2時間弱程自分の時間を持つことにした。
旅館からは迷うことのない一本道だが、念のため、出がけにフロントマンに訊いてみた。

「秋保大滝に駐車場はありますか」
「あります」

安心して車を飛ばし、目的地に到着すると、確かに駐車場なるものはあった。但、広さはなく、精々満車で7~8台ってところか。先客は3台だったので、余裕で左端に停めることができた。
橋の脇には滝つぼへ至る遊歩道があり、ものの数分で川岸に出られる。
カップル2組、家族連れ2組がそれぞれ寛いでいたが、滝、滝つぼ、その周辺、どれをとっても被写体として心弾む感じはなく、なかなかアングルや構図を決められない。尤も、紅葉時だったら全く様相は変わるのだろう。
30分ほど右往左往したのち、そろそろ引き上げることにした。再び坂を上がっていくと、意外にも何組もの人たちが下りてくる。来た時間が早かったこともあるが、ここが案外人気のスポットなのだと再認識。そして駐車場が見えるところまで来ると、それは確信となった。
何と駐車場渋滞が起きていたのだ。入りきれない車が5台ほど列となっている。
これはいかんとすぐに車を走らせたが、この界隈にはおいしい空気以外に特段なものはないと実感。
既に気持ちは市内観光へと駒を進めていた。

「青葉城址、行こう」
「いいね」

ここは前々から女房と決めていたところだ。
宿へ来た際のルートとは違い、名取川に沿って市内へ向かう。途中からまったく目印のない住宅街へ誘導され、何度も右左折を繰り返して目的地へと近づいていった。
東京では見たことのない“ロータリー交差点”に二度も遭遇したのにはびっくり。それまでオーストラリアのケアンズでしか見かけたことがなかったからだ。しかし、上品さが漂う仙台には、この交差点がなかなかお似合いなのだ。

「なにあの渋滞!」
「素直に諦めるしかないか」

これほど人が訪れる観光名所だとは思わなかった。城址へ入ろうにも、駐車場渋滞が延々200メートル近く続いているではないか。悲しいかな、ここは車で来ちゃいけないところなのだ。
時間も迫っていたので、躊躇することなく中心街へとハンドルを切った。

時刻はちょうどお昼頃。

「私は牛タンがいいかな」
「俺はラーメンが食いたい」
「それじゃ両方あるところを探せばいいか」

新婚さん

市役所脇の駐車場へ車を入れると、先ずは定禅寺通りへ出てみる。
なるほど、並木がきれいでお洒落なところだ。通りの中心では十数人の見物客に取り囲まれながらジャズの生演奏をやっている。その先では新婚のカップルがプロカメラマンによる撮影の真っ最中。近づいてみると無性に一枚撮りたくなった。

「すみません。一枚いいですか?」

するとご夫婦は口を合わせるように、“どうぞ”と言ってくれた。
ここはお言葉に甘えて、2~3枚!
それにしても、なかなかの美男美女である。
お幸せに♪
一方、食堂探しは難航した。そんな時、ちょうど真向かいにタンメンの店を発見。これは珍しいと女房を誘ったが、

「ラーメンはいらない。だけどパパ、そこで食べちゃったら」
「お前はどうするの?」
「観光ついでに他の店を探してる」
「わかった、それじゃさっと食って、次の店を探そう」

こんな流れで入ったのは、辛味噌タンメン『カラ助』。カウンター席しかない狭い店だが、やたらといい匂いが充満していて、空きっ腹を刺激する。カラ助と言うくらいだから、辛味が自慢なのだろうが、辛過ぎは好みじゃないので、普通に味噌タンメンを注文した。
数分で出てきたこの一品。まずは野菜もりもりで見た目がゴージャス。スープをすすればやや薄味だがコクがあって野菜のうまみも十分出ていて箸は一気に進んだ。そのうちに4人家族が入ってきて満席になり、熱気は上がる一方。汗を垂らしながらもスープ一滴残さず完食。
いいとこ入った~、うまかった~☆
さて、女房と合流して見つけた店は、三越の西側にある『牛タン・徳茂』。歩道から牛タンを焼くのが見えるところがポイントだった。彼女が選んだのは“牛タン丼”。980円とリーズナブルだが 、柔らかな牛タンとご飯のマッチングは文句なしにうまい。タンメンで腹いっぱいだったが、おすそ分けはするするっと入っていく。
この後は土産用にと、三越地下で“仙台に銘菓あり”のキャッチで有名な『萩の月』を買い求め、帰路にかかることにした。

「楽しかったね」
「うん。でもさ、ここ、まだ仙台ってこと忘れないでな」

そうなのだ。一息つける自宅までは最短でも5時間の道のりを残している。
たったの一泊二日だったが、久しぶりに出かけた夫婦水入らずの旅は、新しい地を心行くまで堪能でき、また、大きく見聞が広がったことが無性に嬉しく感じた。

今やれるべきこと、今楽しむことのできること。

殆ど見逃すことのないNHK朝の連続テレビ小説。
今は女優・高畑充希が主人公の小橋常子を演じる【とと姉ちゃん】が絶賛放映中である。
一話15分という小気味の良いテンポは、観る人を画面へ釘付けにし、ひとたび劇中に吸い込まれれば瞬く間に“続き”となってしまう冴え渡る演出がなんともGoo。
今回は戦前、戦中、戦後を生き抜いた登場人物達のセリフに心を動かされることが屡々ある。
唐沢寿明が演じる花山伊佐次のひと言は奥が深かった。

「守るべきことは毎日の暮らしだ」

昨今の平和な日本。毎日の暮らしを意識することはなく、況してそのありがたみを感じることは殆どないと思うが、誰しもそれを失えば、空いた穴の大きさに愕然とする筈だ。
但、日々を精一杯に生きていても、対岸の花火の火の粉が突如我が身へ降り注いでくることだってある。
そんな時は、いかに平静をもって対処できるかが大きなポイントになると思うし、それ以前に火の粉に対する耐性を普段から確認することも必要であろう。

<君子危うきに近寄らず>
少々ニュアンスは異なるが、このことわざも暮らしの防御に役立つ。
そう、君子は地雷を踏まない。
危険な香りのするエリアには足を踏み入れないことが第一だが、なかなかそうはいかないのが世の常。そんな時は冷静になって周囲の空気を読み、仮に地雷を踏んでしまったら全て自己責任になることを十分念頭に置き、臨むことが肝心だ。

それから小橋常子の父親・小橋竹蔵が放った言葉もなかなか。

「当たり前にある毎日でも、それはとっても大切な一瞬の積み重ねだと思っています。そしてそれは、いつ失うことになるか分からない。明日かも知れないし、一年後かも知れない。」

私も含め普通の人だったら、誰一人として日々の生活が突如激変してしまうことなど夢にも思わないだろう。しかし、まさかと思われる病気、けが、事故、事件等々は、日常の隣り合わせにあることは明白なので、やはり平凡な毎日を大切に過ごそうとする意識は必要ではなかろうか。

この頃頓に感ずることがある。
それは「昨日は二度と来ない」という一節が発するもの。そいつが頭の中に居座り、私の行動のすべてを制御しているように思えてならないのだ。これまで幾度も書いてきたが、これには老化という誠に厄介な要素が関わっている。
先ずは体力。
悲しいかな加齢するほどにパワーの減退は免れない。
既に10年以上も続けている自転車通勤。往復16Kmは完璧に常態化していて、これまでしんどいと感じたことは正直ない。出勤時に雨でもない限り必ず乗って出かけるし、休日でも武蔵境や吉祥寺へ出るときの足として使っている。通勤の稼働日が週4日としても、16Km×4日×53週×10年で累積走行距離は34,000Kmにも及ぶ。これはオリンピックが行われるブラジルまでの往復距離と等しい。
おかげで運動不足解消には幾分貢献していると思うのだが、

「どうしようかな、今日は車で行こうかな…」

と、この頃理由もないのに心の中でつぶやいてしまうことが多々ある。
まあ、つぶやいても結果的には跨いで漕ぎ出し、いつものようにストレスなく職場へと行きつくわけなのだが、昨年まではこんな“つぶやき”など一度もなかった。
疲れが取れないのか、基本的なパワーダウンなのか、はたまた操縦の危険を感じているのか…
いずれにしてもどこかが変わったことは確かだろう。
そう、好きな山歩きにも影響は出てきた。
森の中を行けば気分が良くなることは十二分に分かっている。しかし起床時、「もう少し寝たい」が勝ってしまい、絶好の登山日和なのに部屋で読書なんてことが屡々。窓を開けて青空を見上げれば、ため息の連発になる。以前の山歩きは殆ど連れがいたので、少々眠くても起きなければならなかったが、最近の体たらくは、そのこととは別次元のような気がしてならない。
先ほど突発的な事由による厄は、いつも生活の隣り合わせにあるので、毎日を大切に過ごそうとする意識が必要と述べてみたが、真綿で首を締めるごとく襲い掛かかってくる体と生活環境の変化にも大いに目を向けるべきだ。
ー 2年前の赤岳登頂は楽しかった♪またトライしてみたい!
これが意気揚々として今年に再現できるかは、甚だ疑問。
― 山はテン泊だ!
重い装備を背負ったうえで、アウトドアを満喫できるのか?!
― 今日も1Km泳ぐぞ!
疲れが残ると明日の仕事がきついかな…
こんな胸の内は紛れもない事実である。
何でもやり始めたらそこそこ楽しいのだろうが、実際は何かが邪魔して積極的になれなくなっているのだ。仮にこれをストレスのせいで気分が落ち込んでいると解釈すれば、ここ1~2年ずっとストレスは溜まる一方であり、少しも解消していないことになる。
一杯飲んで、元気出していこうぜ!!なんて自分に言い聞かせて行動的になれるとしたら、80歳になっても90歳になっても赤岳を満喫できるはずだ。
そうそう、80歳になったら確実に親は亡くなっている。もしかしたら女房も先に逝っているかもしれない。弟や友人たちも同じことだ。仮に新し友人ができたとしても、周囲の環境は今とずいぶん異なり、人は環境が変われば、それに伴い価値観も変わってしまうものだ。

今やれるべきこと、今楽しむことのできること。これにはしっかと目を向けるべき。
今やらなければ、もしかして来年はやれないかもしれない。
心身ともに100%で、人生上り調子だった二十歳の頃とは何もかもが違うのだ。

夏直前! 三浦半島・城ヶ島

++_DSC5806

写真仲間のTくん。彼への連絡にはいつもLINEを使う。

ー 明日、写真行くか?
ー いきましょう

と、こんな感じ。
どうやらTくん、この頃では平日休みも取れるようで、ちょっと前に“金曜に空くことが多い”と言っていたのを思い出し誘ってみたのだ。
結果はAll Right☆

ー それじゃ明日9時
ー 了解

ということで、6月17日(金)。夏本番間近な三浦半島で、光り目映い海と空をキャッチしてきた。

これまで三浦半島には何度訪れただろうか。自宅からそれほど遠くないのに豪快な磯の景観が見られ、田園地帯を望めばその向こうに大海原が広がっている、そして幼年期に静岡県の沼津で親しんだ、生活に密着した海を味わえること等々がリピートの理由になる。
それに美味いマグロの漬丼を賞味できるのも大きなポイントだろう。そもそも半島の南端に位置する三崎漁港は、常にマグロの陸揚げ量が全国3本の指に数えられ、観光地としても活況を放っている。

「ほらあそこ。剱崎灯台って書いてあるじゃん」
「うんうん」
「行ってみよう」

大昔に一度トライしたことがあった。しかし国道から左折すると道はいきなり狭くなり、行けば行くほど不安が増すほどで、結局灯台へ至る前に諦めて引き返した。しかし今回の車はTくん愛車の「スズキ・ジムニー」。こいつで行けないところはないし、引き返せないところもないのだ。
予想通りすれ違い100%不可能な道が続いたが、不思議とジムニーのハンドルを握っていると不安は少しも感じることがなかった。

「ここで行き止まりだな」
「あとは歩きか」

とは言っても見れば白亜の灯台は目と鼻の先だ。
最近になって塗り直したのではないかと思うほどその白は目映く、強い反射光は否応なしに両眼へと射し込んでくる。

「なるほど、絶景だね」

灯台の裏側へ回れば、東京湾を挟み内房の山々がはっきりと見渡せ、気分はスカッとする。観音崎灯台からの眺めもいいが、ここも負けてはいない。
辺りをよく見まわすと、灯台が立つ岬の取り付けには入江風の岩場が扇状に広がり、独特の景観を形成している。それはよく知る城ヶ島の磯とはひと味違うものだ。
灯台からは早々と引き上げ、斜面を伝う細い道を下って磯へと出た。

昔も今も岩場はフナムシの天国だ。無数が揃ってサッサッと動く様は、虫嫌いには悍ましいシーンだろうが、沼津育ちの私にとっては、海に来た!という実感に溢れる安らぎの光景に他ならない。
しばらくここで撮影タイムとした。
カメラを持つ手を休め、ふと岬を見上げると、紺碧の中に凛と立つ剱崎灯台を掠めるように、数羽のトビが気持ちよさそうに旋回しているではないか。

「いいかげん腹減ったな」
「だってもうすぐ1時ですよ」
「ここは終わりにして、城ヶ島で飯にしよう」

剱崎灯台から城ケ崎までは普通に流して20分少々。途中には小さな漁港もあって、下見をしたくなる雰囲気も感じられたが、今回は二人ともかなりな腹ペコ状態だったので、とにかく島へ渡って馴染みの『しぶき亭』へと向かうことにした。
平日の割には島内に観光客は多く、人気スポットの程を伺えた。

「キリンFREEとミックス丼、ふたつづつ」

マグロの漬丼は当然美味だが、ここはイカもイケる。そんな時はミックス丼がおすすめ。ご飯の上には漬マグロと漬イカがそれぞれ半々で乗っていて、両方の味を一度に堪能できるのだ。イカは弾力があり、噛めば噛むほど甘みが出てきて言うことなし。

「お客さん、これはね、うちのオリジナルでまぐろと味噌を和えたものなの」
「へー、ご飯にぴったりだね」
「そうなの。しかも無添加だから安心なんです」

ここのおばさんたちは皆揃って喋りが達者だ。プレゼンが苦手だと思っている方は、ぜひ一度行ってみるといい。しつこさなしの笑いありで、ついつい買わされてしまう。この日もそのオリジナルやらを一びん土産にしてしまった。
何年か前に訪れた時も、まんまとやられた。

「お客さん若いから大盛にしてあげるね」

50代後半のおっさんに対して、真顔で若いなんて言われたら、何も買わずに店を出るわけにはいかない。
但、しぶき亭は食事も土産品も味はGooだから、その味と小気味なやりとりでついついリピートしてしまうのだ。

陽光燦々の磯は歩くだけでも消耗する。分かってはいたが、単純な岩場とベタな空では写欲は湧いてこない。目的は夕陽だったが、今は年で最も陽が長い時期にあり、夕暮れムードがやってくるの大凡4時間後とみた。
それまでの間、花か人などを狙おうと試みたが、なかなかどうしてお誂えなSceneはやってこない。港や東側の磯まで足を延ばしてみたが、すべてが徒労に終わったので、この後は夕陽撮影のポイント探しに切り替えた。
沖合のどんよりした雲で富士山の姿は完全に隠れているが、僅かな希望を胸に波飛沫うつ岩の向こうに富士山が入るポイントを探すことにした。
この頃では西側の防波堤工事が進んできていて、東寄りが強すぎると自分好みな画になりそうになかったので、カメラを三脚へ固定して、京急ホテルの西側に陣取った。
あとは座って待つのみ。

「探しちゃいましたよ」
「いろいろ回ったけど何にもなかったからさ」
「俺なんか500枚近く撮っちゃいましたよ」

さすがにTくんは若い。そう話し始めたとたん、今度は今より磯に近いところで、城ヶ島には多々見かける野良猫を撮り始めたのだ。
気が付くと周りには一眼レフを手に持つ人が、二人、三人と集まっていた。

あと夕陽まで一時間と迫ったころ、カメラのセッティングを確認しようと上部液晶を覗いたら、何とバッテリー残量が最後のひとメモリになっているではないか。バッテリーの寿命か、D600自体が大食いなのか、それとも単純にレンズが初期型VRだからか、いずれも定かでないが、この消耗度はいただけない。

「エツ、やばいよ」
「どうしたの?」
「バッテリーが終わりそう。一応予備は持ってきたけど車の中に置き忘れだ」

港まで戻るのは容易でない。

「まって、D600のバッテリーって、俺のD7000と同じじゃなかった?」

なるほど、そうかもしれない。
さっそく調べてみると、まったく同じ品番である。

「安心してくださいよ。ほら、予備持ってるから」
「良かった~、それじゃぎりぎりまで使わせてもらうよ」

ー HDR、絞りF11、シャッター速度1/4秒、ISO100、マルチパターン測光、露出補正ー0.3段
この設定で日没までの微妙な変化を45枚で切り取ってみた。
そしてラッキーは続いた。何と雲に覆われていた富士山が突如として現れたのだ。しかもうっすらと朱を帯びる“赤富士”で、何度となく訪れてきたこの城ヶ島に於て、過去に一度しか拝んだことがない貴重な姿なのだ。
更には機材を片付けて車へ戻る道すがら、ふと路地向こうから強い光が流れ込んできたので首を向けると、

「すげー!真っ赤な夕焼けだ」

いい感じの雲と夕陽がミルフィーユ状となり、それは久々に見る鮮やかさなのだ。
手持ちだがさっそくカメラを向けてシャッターを切り出すと、近くを歩いていたカップルの彼女がつぶやいた。

「あなたもいいカメラ買ったら」
「そだね」

急きょ出かけた撮影行。しかし結果は大満足。
そう、嬉しいことはまだあった。
帰宅してD600の画をチェックすると、そこには今までのNikon機では得ることのできなかったRAWデータの奥深さと密度があったのだ。
いつものようにPhotoshopCS5で現像にかかると、各スライダーの動きに対してプレビューの変化がD100やD2HのRAWデータとは若干異なることに気が付いたのである。一見グレースケールかのように見える部分でも、その裏側にはしっかりと色情報が置かれていて、スポンジツール等での微妙なレタッチがとても自然に行えるのだ。もちろん同じ景色を並んで撮ったデーター比較ではないので正確なことは言えないが、長年使ってきたソフト故にその変化には敏感に気が付くもの。
良いこと尽くめのようだが、問題も露見した。
これまで使ってきたケンコーのPLフィルターでは、その厚みの為か、結構厄介な周辺光量落ちが起きてしまい、更には肝心な24-120mmの純正レンズフードが構造的に規定位置まで入り込めず、無理矢理そのまま撮影すれば完全に上方左右がケラれてしまい、まともな画にはならない。
致し方ないがこれはDX専用とし、新たにもう一枚、D600用の薄型PLを購入するしかないようだ。

上高地までには…

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