切り札

HD三鷹

ジリ貧傾向が止まらないバイク業界。普通のことを普通にやるだけではたちまち崖っぷちへと追い込まれる厳しい状況に変わりはなく、既存店の売上高は既に頭打ちとなって久しい。
そんな中、膨大なコストを掛けて2月7日(土)にオープンしたハーレーダビッドソン三鷹は、グループの切り札であると同時に賭でもある。それまで我が社にハーレーの歴史を刻み続けてきたハーレーダビッドソン調布並びにハーレーダビッドソン東村山を閉店し、新店・三鷹へと統合した今回の流れはまさにハーレーダビッドソン社と心中する誓いであり、覚悟を形にしたものに他ならない。

調布の看板を差替えて中古車専門店としてリニューアルオープンした“モト・ギャルソン中古車ギャラリー”。取扱の中心こそハーレーだが、ショールームには他メーカーのバイクも並べ、更には中古パーツを展示販売するという今までにないスタイルを持ち味として準備中だ。
新車も中古車も厳しい現況に置かれていることに変わりはない。但、中古車市場には僅かだが上昇気配も見られるようになり、一部の著名新車ディーラーが一層の力を持って中古車販売を押し進めていることでも頷ける。
そして肝心なことは、もしもこの波に乗り遅れたなら、後は無いということ…
情報収集とスピード感ある改革こそが鍵なのだ。

北鎌倉

1月29日(木)。春の芽吹きを待ちきれず、V2片手に家を出た。
行き先はかねてから計画していた北鎌倉。駅から徒歩で回れるエリア内に名刹が連なるところがポイントで、散歩半分、撮影半分で楽しむにはお誂え向きなところだ。しかも湘南新宿ラインを使えば、三鷹から乗り換え1回、乗車時間1時間強という好アクセスも見逃せない。

風が少々冷たかったが、見上げれば雲ひとつない青空が広がっている。これ以上のコンディションを求めたら贅沢というものだ。
オフシーズンの平日ながら鎌倉街道を歩く観光客は少なくない。ちょうど前を行く年輩夫婦の後を追うように、縁切り寺の名で知られる東慶寺の看板を右に折れてみた。
門を潜り黄色の花弁が目を引くマンサクの花を眺めながら谷戸に沿って進んでいくと、墓苑手前の大きな岩に“イワタバコ”の表板が目に入った。

ー そうだ、確かイワタバコって奥多摩のむかし道に咲いていた花だ。

紫色の可憐な花が梅雨の頃にはこの岩いっぱいに咲き誇ると思うと期待が脹らみ、それを撮影するだけでも再び訪れる意味があると思った。
3名の若い植木職人がせっせと梅の木の手入れをしている。後ひと月もしないうちに見事な咲きっぷりを見られるに違いない。

鎌倉街道へ戻り再び歩を進めると浄智寺の入口がすぐに見えてくる。
ここには鎌倉七福神のひとつである“ほてい様”の石像があり、近づくとその何ともゆるい表情におもわず笑みが出てしまう。しっかりとお腹をなぜたので、御利益を期待できそうだ。
因みにこの日の夕方、試しにLOTO6を買ってみたが、かすりもしなかったことをご報告したい。

次は踏切を渡り、明月院へと向かった。
ここは長谷寺と並ぶ紫陽花のメッカで、梅雨時期ならば連日多くの観光客が押し寄せてくるのだろうが、この時期は人影も少なく、憚ることなく撮影を楽しむことができた。
境内には見事に咲き誇るロウバイや竹林、そして小さな枯山水など被写体には事欠かないが、中でも有名な“円窓”は確かに趣と張り出しが感じられ、殆どの人が立ち止まってカメラを向けていた。
但、私の場合、それ以上にインパクトを覚えたのが入口手前の石橋に置かれた“ウサギとカメの像”。彼らは一体何を見ようとしているのか、その一心な姿形が理屈抜きにかわいいのだ。

ー 腹減った。何か食うか、、、

これだけ歩き回れば、朝食のトースト一枚は完全に消化されている。但、これまでに見かけた食い物屋はどこも小洒落た店ばかりで、昼飯として食したいものは見当たらない。高級な蕎麦や薬膳食、そして子牛の煮込みなんぞは鼻っからNo,Thank You。どうしようかと思案していると、駅前にあった中華料理屋を思い出した。

ー そうだ、あそこへ行こう。

駅前の踏切を再び鎌倉街道側へ渡り、ちょっとやれた感じののれんを潜ってみた。
お母さんと息子の二人で営んでいると思われるその店は、活気に乏しく第一印象は芳しくなかったが、壁に貼り付けてある品書きを見渡すと、各種ラーメンから餃子、チャーハン、そして一品物に至るまで、町の中華料理屋にあるものはひととおり揃っている。但、ランチや定食の記載はなかったので、それなら冷え切った体を温めようとモヤシソバを注文してみた。
具材を煽る中華鍋の音がすると、間もなくして湯気が立ったモヤシソバが運ばれてきた。

「お待たせしました」

手がかじかんでレンゲを持つ左指の動きがぎこちない。恐らく冷えだけではなく、ずっとV2を構えていた緊張疲れが指先に出ているのだ。
口に運んだスープはずいぶんと薄味で、血圧を気にする方々にはうってつけの塩分量とみた。モヤシの炒め具合と麺の茹で具合に申し分はなかったので、バランス的にちょっともったいないような気がした。
完食すると腹の底から温まり、だいぶ疲れもとれてきた。撮り溜めた写真にざっと目を通した後、最後の目的地へ向かうことにした。

ー ずいぶんと広い寺だな。

昨年訪れた建長寺と同様、きわめて広大な敷地を持つ円覚寺。しっかり見て回るとなるとそれなりの時間が必要になる。
入口である三門から圧倒的な規模でスタートし、仏殿、方丈と、力と文化を感じさせる建築物が続くその様は、当時の朝廷や幕府からいかに大きな帰依を受けていたかが容易に想像できるものだ。
ぐるりと一周し、最後に国宝指定されている洪鐘を見ようと長い階段を上った。
弁天堂の脇からは東慶寺を見下ろす爽快な景色が広がっていて、柵に肘をついてじっと眺めていると、やはり鎌倉は特別なエリアであり、遙か昔、鎌倉幕府体制下で栄えた仏教文化がいかに壮大なものであったかがひしひしと伝わってきた。

旅の楽しみ

地魚定食

連泊はもちろんだが、日帰りでも楽しいのが旅だ。知らない街を散策したり、美しい景色を眺めたりと、魅力を挙げればきりがないが、中でも欠かせないのは食事時だろう。何気に入った食堂で唸る一品に出あえばそれだけでハッピーだし、更に店の雰囲気や店員の対応も自分好みだったら、旅そのものの充実感は大きく膨らんでいく。

好きで良く出かける伊豆半島には、海の幸を食べさせる飲食店が星の数ほどあるのは周知のとおり。正直どこへ入ったらいいものかと迷ってしまうほどだ。そんな中、半島の先端、石廊崎にある網船納屋(あんぶねなんや)は幾度も利用するお気に入りの店。注文するのは大概刺身3品盛りの“地魚刺身定食”で、取り立て大きな特長はないものの、刺身、味噌汁、御飯、漬け物、小鉢、そしてお茶等々、どれもきちんと手が入り、定食ならではの味わいを楽しめる。
メインの刺身がいくら新鮮でも、御飯が軟らかすぎたり味噌汁のダシがイマイチでは、食事の価値は萎んでしまう。
もう一つのお気に入りは、“最果て”という言葉が当てはまるロケーションにある。
伊豆半島最南端の石廊崎は目と鼻の先であり、特に店から坂を下った先の石廊崎港は、山々に囲まれた奥深い入江に位置するという、回りの漁港にはない珍しい景観と静かな佇まいで、“最果て”の演出を大いに盛り上げている。
美味しい料理を落ち着ける環境でゆっくりと味わえたならば、それまでに書き留めたメモをまとめ、午後からの計画を練り直したりと、旅の充実度はますます深まっていくのだ。

小鯵

三共食堂

西伊豆宇久須にある三共食堂は、“小鯵鮨”で知れ渡った、知る人ぞ知る人気の店。
バイクツーリング愛好家御用達の地図“ツーリングマップル”に掲載されたということは、並々ならぬ評判の証しだろう。この地図で目に止まり、ここを訪れたライダーは相当な人数にのぼると思われる。
但、立地は良くない。一般的な観光客だったら決して通ることのない、国道から一本海側へ入った裏通りに面し、店舗の外観も地方にありがちな目立たないひっそりとしたものだ。
しかし三共食堂の小鯵鮨が有名になったおかげで、いつしか<宇久須=小鯵鮨>という図式ができあがり、気が付けば元祖小鯵鮨を名乗る“八起”という店も現れた。
どちらの店が美味いかどうかは、全て主観の範疇にありと断っておくが、往々にして“元祖○○”と称する店で唸るような味覚に出逢った例しはない。

私が思うに、小鯵は日本の沿岸魚の王様だ。
子供の頃に沼津の堤防で良く釣ったという懐かしい記憶も手伝うが、ひとくちフライや唐揚げにすると、先ずは大きな鯵にはない“淡さ”に気が付き、そのうちにシンプルな味わいと食感が酒の肴にドンピシャだと笑みが溢れてくるはずだ。

プリンセチア

プリンセチア

 

今年こそは絵を描こう!と一旦は心に誓ったものの、気が付けば年末を迎えてしまった昨年。
これを大いに反省し、先ずは始めることが肝心と考え、先週の休日にボールペンを使い、傍にあった“手袋”をとりあえずスケッチしてみた。
小学生の頃は漫画が好きで、教科書の余白に“伊賀の影丸”や“8マン”を描きまくり、それを担任に見つかり大いに怒られたものだ。そんなことがあって、漫画の腕は人並み以上だと自負していたが、どうもスケッチは違った技法と見方が必要なようで、描き上がった手袋の絵はとてもじゃないが人様に見せられるものではなかった。
情けなさと悔しさをぐっと呑み込み、再度じっくりと観察し直して、良くなかったと思う部分を意識しながら、もう一度トライしてみた。
今度は少々時間を掛けて慎重に形をなぞっていったが、やはり思うようにペンが進まず、意図としているスケッチにはまるで近付けない。やはり絵画の基本をある程度分かっていないと、作画の手順を見いだすことができず、これでは何度やっても右往左往するだけだろうと、一端中断して打開策を講じることにした。
但、今更絵画スクールへ通うのも現実的ではないので、こんな時の助け船“動画サイトYouTube”からめぼしい手本をいくつか見つけ出しては、それを繰り返し見てノウハウを蓄積しようと考えたのだ。
最初の計画では、鉛筆でデッサンし、それに水彩絵の具で色付けをするというものだったが、画材選びの段階で既にちんぷんかんぷんとなってしまい、それだったら仕事やプライベートで普段から頻繁に使っているデジタルソフトで描く方が、自分なりに工夫できるし、道具を揃える手間と費用も省けると考え、早速手持ちの描画ソフト“Photoshop”と“Illustrator”でトライすることにしたのだ。

写真好きな中年男の独り言