
「温泉巡りは七月までだよ」
“大多摩湯めぐりスタンプラリー”のことだ。先回も「まだ半年近くあるよ」なんて油断してたら、あっという間に期限がやってきた。いやはや、月日の流れってのは早いものだ。
「じゃ行くか」
「こんどはどこ?」
「瀬音の湯かな」
最初は数馬の湯、次はもえぎの湯ときていた。

寒い時期は体を温めることが健康維持の基本。たとえノンアルでも、ギンギンに冷やしたのを晩酌にやると夜間頻尿が悪化する。対照的に燗酒やお湯割りの方が体が温まってぐっすりと眠れ、夜中に尿意を覚える回数は少なくなる。そもそも夜間頻尿は病気。症状が頻発するとわかっていることは避けなければならない。膝や股関節の痛みも含めて、歳を取ると次から次へとトラブルが出てきて厄介この上ない。


二月十三日(金)。瀬音の湯は三年ぶりになる。今回も駐車場は七割がた埋まっていて、人気のほどがうかがえた。内湯は明るく広々としているが、露天風呂からは秋川と背後の山々が見渡せ、さらに開放感がアップする。
風呂から上がって脱衣所で着替えていると、
「ここのお湯は温まりますね~」
七十代後半と思しき小柄な男性が話しかけてきた。
おっしゃるとおり。お湯の温度はそれほど高くなかったのに、拭っても拭っても汗が噴き出てくる。
「ほんとですね、体の芯からポッカポカですよ」
ランチの時にその話を女房にしたら、
「すっごい汗かいた」
瀬音の湯は体の芯から温める効果が高いのだろう、汗かきではないうちの女房が言うのだから間違いない。
さて、女房は“青梅産タレカツ丼”、私は“ひのはら舞茸天蕎麦(冷)”。どちらもたいへん美味しくいただけた。