季節の呼吸

 春はもう目の前である。近所を流れる玉川上水沿いに、一本だけ立つ河津桜が今年も開花を始めた。自宅の門の前に咲く彼岸花もそうだが、植物は毎年狂うことなく季節を察知し、美しくも力強い開花を見せてくれる。この静かな力と沈黙の世界の神秘は、自然がもたらす究極の恵みではなかろうか。
 もう少しすると桜、ハナミズキ、そして紫陽花と続き、森が眩い新緑の時期を迎えれば、山々には高山植物が一斉に顔を出し、「山へ来いよ!」と言ってくる。
 私はこの“季節の呼吸”がたまらなく好きだ。


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