
温暖化が進んでいるとはいえ、やはり冬は寒い。風が強い日などは外出も躊躇しがちになる。しかし家にこもって読書ばかりじゃつまらないし、体を動かさないと、暖房を入れていても体の芯が冷え冷えとしてくる。
「温泉スタンプラリー、行くか」
「いいわね」

のめこい湯、もえぎの湯、つるつる温泉、小菅の湯、数馬の湯、瀬音の湯、以上六ケ所を一年以内に回ってくれば、一回分の入浴が無料になるという、二年前から始まったイベントだ。昨年の七月に数馬の湯へ行ったのが今回の初っ端になる。よって今年の七月までに残る五カ所を回ればOK。
奥多摩に点在する日帰り温泉は、それぞれに趣があって私は大好きだ。ただ、どこの温泉に行くにせよ、車で二時間前後はかかるからなかなか腰が上がらない。そんな中、このスタンプラリーはちょうどいいきっかけになる。

「何年もご無沙汰だから、もえぎの湯にしよう」
てなことで、一月十四日(水)、自宅を九時に出発、幸い新青梅街道が空いていたので、十時四十分に到着できた
「はい、パパのタオル」
「ありがと。何時まで?」
「十一時半でいいんじゃない」
「おっけ~」

もえぎの湯の泉質は、pH9.85の強アルカリ“フッ素泉”。無色透明でとろみのあるお湯だ。肌がしっとりするのはもちろん、それが長く持続するところがいい。帰宅して、晩酌前にひと風呂浴びようと服を脱ぎ、腕や首周りに触れてみると、しっとり感が持続していた。
温泉から上がると食堂へ直行。客は三組しかいない。まずは食券を買ってスタッフへ渡す。女房はきつねそばとわさび丼セット、私は豚の角煮丼をチョイス。

口の中でとろりと溶ける角煮を想像していたが、それほど長く煮込んでない、やや歯ごたえを残した豚肉だった。ただ、甘いたれとよく馴染み、美味しくいただけた。
「このあともう一回入ってくるね」
二度も浸かるとは珍しい。女房のやつ、気に入ったのかな。