池を中心にぐるり一周すれば、四季折々の表情に満ち溢れる井の頭公園。
大学卒業間近に、初となる自分のカメラ“キヤノンAE-1”を手に入れると、お気に入りの撮影地として年に数回足を運ぶようになった。
ふり返ればここは思い出の多いところ。高校生の頃、学校帰りに荻窪の駅で彼女と待ち合わせると、まずは吉祥寺で下車、北口の“桜井”で味噌ラーメンをすする。そのあとはきまって井の頭公園へ行き、とりとめのない会話を楽しんだ。それから半世紀以上経ったと思うと、時の流れが妙に切なく胸に広がる。














十二月五日(金)。ニコンD600にタムロンSP70-300mmを装着。バッテリーは満充電だ。
「井の頭公園いってくるね」
「寒いよ」
自転車を飛ばす。空気は冷たかったが、眩しいほどに陽光は強い。
いつもの公園駐輪場から池へ向かって下っていく。
紅葉ピークはとうに過ぎ去り、落葉も終盤である。あいかわらず人は多いが、その中に一眼カメラを持った諸氏を多々見かける。なにげに機種へ目をやると、ペンタックスの文字を確認できた方が二人もいた。
池の西端までまわって来るとマンション群が目の前にそびえたつ。いつも思うが、あの高層階からの眺めはさぞかしナイスだろうかと。