








思った以上に微熱騒動が長引き、十月は一度も山へ行けなかった。年間でもベストなシーズンだけあって、森を歩きたい欲求はピークに達していた。
十一月二十四日(月)。刈寄山の山中は晩秋色濃く、落ち葉を踏む音には季節を感じられた。
両手を広げて大きく深呼吸をすると、冷っとした空気が鼻腔に流れ込み気も引き締まる。ただ、一か月ほど前から右膝の痛みがぶり返していたので、庇いながらの山歩きではあった。特に下る際には気を付けないと、顔をしかめるほどズキッとくる。どうせ病院で診てもらっても、
「レントゲンでは異常は見られませんね」
で、終わりそうだから、引き続き毎日のウォーキングやジョギングで、膝回りの筋肉が落ちないよう精進したい。
山と言えば、昨今熊問題が大きくクローズアップされている。特に今年は人身被害や死者数が過去最多となり、もはや登山者の留意事項を通り越して、社会問題へと拡大した。
さて、ここからは私の持論になるので、参考程度に流し読みして欲しい。
熊が人を襲うには理由があると思う。昔からよくある事例は、
・登山道での出会いがしら。びっくりした熊が襲い掛かってくる。
・子熊にちょっかいを出す。子供が危険にさらされていると勘違いした親熊が襲い掛かってくる。
以上が主なもので、対策としては、熊鈴、ラジオなどの音で人の存在を察知させる。野生動物には手を出さない等々で、殆ど事故を回避できた。
山中にいる熊は恐らく正常な生活を営んでいると思われる。よってわざわざ人を襲う理由はない筈。例外としては、普段の生活エリアに餌が乏しいため、他のエリアまで移動してきたとすると、気がたっていることもあり得る。
一方、ニュースで報じられている熊被害の殆どは、山中ではなく人里で発生している。餌がなく空腹になれば、人だってイラつくものだ。我慢ができなくなり、普段は踏み込まない人の臭いがぷんぷんするエリアへ入り込めば、空腹と緊張でイライラは頂点に達っする筈だ。そんな中で人に出くわせば、熊にとってはまったくもって目障り、邪魔であり、攻撃してくる可能性は非常に高いと思われる。
登山中にクマに襲われる例は“0”ではないので、決して油断はできないが、熊の生態と心情を考えれば、必要以上に登山を避けるのはナンセンスのような気がする。むしろ道路を歩いていて、交通事故に巻き込まれる確率の方が高いかもしれない。
熊事件が勃発する以前、いや、遥か昔から山中には多くの熊が生活しているのだ。