
例年だと、就寝時に寝室のエアコンをつけるのはひと夏に十回ほどなのに、今年はほぼ毎日である。夜になっても気温が下がらないこともあるが、それより風がない日が多くて、部屋に湿った空気が淀みきるのだ。ある程度の湿度はしょうがないとしても、そこそこ風が通れば、ぐっすりと眠ることはできる。枕もとのすぐ上にある窓にレースのカーテンをかけているが、これが四五度前後でたなびき、室温が二十八℃ほどなら理想的。
「そのジャージさ、、、ずいぶんと疲れてないか」
「じゃ新しいの買ってよぉ」
使い馴染んだ部屋着ってのは、そう簡単に手放せない、と私も思う。肌との馴染みがいいからだ。
「風呂場のタワシが限界超えたんで、ダイソーに行こうと思ってたんだ」
「もちろん車でしょ」
「こんな日に自転車で出かけたら行き倒れだよ」
ヨーカドー内にあるダイソーはちょくちょく利用している。安いのにあれだけまともな商品を提供するところなど、なかなか他では見られない。
ショッピングバックにジャージとタワシが入った。
「どうする、帰る?」
「ちょっと早いけど、せっかくで出てきたんだから、なんか食ってこうか」
腕時計に目をやると十一時を過ぎたばかり。
「パパ、バーガーキング食べたことある?」
「ない」
「じゃ行ってみようよ」
バーガーキングはエミオ武蔵境という西武多摩川線の商業施設に入っている。
「へ~、いろんな店があるんだな」
ドアを押して店内へ入ると、真正面のカウンターで働く五名の女性スタッフは全員外国人。しかもそろって南米系。まるで海外にきたようだ。腹ペコではなかったので、注文はジュニアのセットにした。女房がアボガドで、私はスモーキーBBQ。飲み物は二人ともコーク。出来上がりにやや時間がかかったが、初となる味わいはとっても好印象。マックと比べるとパティ―は明らかに“肉”を感じたし、バンズも単に柔らかいだけでなく、しっかりとした“パン”の味が出ている。
美味しいからペロリと完食。
「うまいね。レギュラーにしとけばよかった」
「また来ればいいじゃん」