酒を親しむ

daiba_aqucity

東京湾の夜景はお台場“アクアシティー”の駐車場から撮ったものだ。
偶然見つけたこの場所だが、なかなか上等な景観を味わうことができる。
人工の光りに浮かび上がるベイエリアは、夕暮れ時に最上の艶やかさを放ち、見とれているとついつい時間の経つのを忘れてしまう。
品川埠頭、屋形船、そして自由の女神もいいが、階下のガーデンテラスも賑やかでいい。アフターファイブに海風を感じながら飲むビールはさぞかし美味いだろう。

ビールと言えば、若者のビール離れが加速しているそうだ。
聞いたところによると、驚くことにあの“苦味”に抵抗感を覚えるらしい。ビール党からしてみれば非常に嘆かわしい話になる。
そもそも居酒屋で大いに飲んで語る若者の姿もずいぶんと少なくなったような気がする。
少子化の問題はさておいても、“酒を親しむ”というステータスと文化が、若者の世界から消滅しつつあるのではなかろうか。

朝夕はだいぶ涼しくなってきた。
秋刀魚が恋しくなる季節である。
美味い吟醸酒と合わせて楽しめればこの上ないことだ。

撃破!鼻過敏症

sin-bioferumin早いもので、新ビオフェルミンを服用し始めてから1年が経とうとしている。
服用の第一目的は整腸ではなく鼻過敏症の軽減だ。
花粉症だけなら反応物質が飛び交う時期だけの格闘となるが、私の場合、空気の急な温度変化や埃にも鋭く反応してしまう厄介なパターンで、それはもう年中行事としてくしゃみや鼻水の発作に気を使わなければならない。
ひとつの例が、スーパー。
うちの近所には“いなげや西久保店”があって、妻も私も日々便利に利用しているが、この店の冷房がとにかく凄まじいのだ。
ふつう、気温30℃を超える猛暑の日に、冷房の効いた施設へ入ればひんやりして気持ちがいいものだが、いなげや西久保店に関しては当てはまらない。店内に入ると同時に痛いほどの冷たい空気に包まれて、一瞬背を丸めるほどだ。汗で濡れたTシャツは急速に冷却され、体温を奪って見る見るうちに鳥肌が立ってくる。
鮮魚や精肉コーナー周辺に至っては、ウォークイン型冷蔵庫の中にいる状態とさほど変わりはなく、冷気に反応する大量の鼻水と連発するくしゃみは避けられない。おかげでベーコンひとつ買うのも大変な騒ぎになるのだ。
冬は冬で空気が乾燥するから、鼻粘膜の過敏度は年を通して絶頂を迎え、外出先から暖房の利いた暖かい部屋に戻った際でも、その温度差に反応してしまう。鼻がむず痒くなり、目に涙が溢れだすと、10連発のくしゃみは避けられない。
こんな状態だから、毎年12月に入る頃になると耳鼻咽喉科へ駆け込むのだ。
薬を処方してもらい、3月の半ば頃まで服用は止められない。そうでもしなければ仕事もままならないからだ。
但、薬は当然対処療法なので、自然治癒でもしない限りこのサイクルは一生続いていく。しかも薬には大なり小なりの副作用があるので、これも不安でしょうがない。鼻炎は治まっても、副作用によって体の他の部分にストレスが生じるのは本末転倒だ。
そんな悩みの中、ネットサーフィンの末に見つけたキーワードが“乳酸菌”である。
以前のブログでも一度記したことがあるが、整腸剤で著名なビオフェルミン製薬株式会社のコメントによれば、ビフィズス菌がアレルギー性鼻炎における症状を軽減することが確認されたとのことで、作用機序の一部も解明しているらしい。
そもそも乳酸菌やビフィズス菌は“薬”でないから、適量なら連続摂取することに何ら問題はないはず。効果が現れるまでに時間が掛かるとか、抜本的な治癒は期待しない方がいいとかは、今の私には些細なことのように思う。

さて、肝心な新ビオフェルミンの検証結果だが、残念なことに改善らしきものは殆ど見られなかった。但、本来の効能である整腸作用はさすがの結果で、服用を始めてから三ヶ月目で体重が3㎏強もアップした。
食欲が安定したこと、便通が安定したこと等を考えると、腸内環境は改善へ向かったものと思われる。

新ビオフェルミンが残り一週間分を切った時、新たな乳酸菌に切り替えることを考えた。
本来の目的である鼻過敏症の軽減には全く効果が出てこないので、これは致し方ない。
約一年間も服用してきて何も変らないと言うことは、今後の期待は“0”である。

arerukea少々前から着目していたのは、乳酸菌の老舗“カルピス株式会社”から発売されている、“アレルケア”。ポイントはL-92乳酸菌の存在である。
以下はwebサイトよりの抜粋だ。

L92乳酸菌は、カルピス社が開発した新機能性乳酸菌という新しい機能をもった乳酸菌の種類のひとつで、正式名称は「ラクトバチルス・アシドフィルス L92株」といいます。
「L-92乳酸菌」は免疫のバランスを整えることが期待できる菌として知られています。
アレルギーに大きく関与しているのがTh1細胞とTh2細胞といわれる2種類の免疫細胞で、通常両者はバランスを保ち、免疫反応をコントロールしています。
ところが、食生活や生活環境の変化などによりTh1細胞とTh2細胞との免疫バランスがくずれてTh2型に偏ると、アレルゲンと反応するIgE抗体が過剰につくられてしまいアレルギー症状が発症してしまいます。
カルピス社の「L-92乳酸菌」はTh1細胞を活性化させる働きを持つことが分かっているので、Th1細胞とTh2細胞の免疫バランスの改善が期待できるものとして、注目されています。「L-92乳酸菌」が免疫バランスを整えるメカニズムは、腸管にある免疫細胞を刺激するためと考えられていますほとんどの乳酸菌は、腸まで到達することができませんが、L92乳酸菌は生きたまま腸にまで届きその効果を発揮します。

これを鵜呑みにすれば期待は大きい。
アレルケアは既に注文済なので、明日からでも服用を開始できそうだ。
その期待される効果については、今後適時お伝えしていきたい。

その後へ続く

奥多摩むかし道

+_DSC06718月15日(金)。T君と【奥多摩むかし道】を歩いてきた。
今回で4度目となる馴染みのハイキングコースだが、手軽に森林浴ができたり、ちょっと寄り道をすれば、ハイカーの気配がないひっそりとした渓流が楽しめたりと、その内容は魅力的だ。

「そこ右ね、入ると右側が駐車場だから」

いつもの鳩ノ巣無料駐車場である。

「駄目ですよ、空いてないみたい」

今までお目にかかったことのない光景である。
利用するのはいつも平日だから、何となく嫌な予感はしていたのだが、ここまでぎっしりとは思ってもみなかった。旧盆注意すべし。

「先へ行こう、氷川に有料駐車場がある」

当初の計画は、鳩ノ巣へ車を置いたら、電車に乗り換えて奥多摩駅までいき、そこからむかし道のフルコースを歩くというものだったが、昨今の山ブームと旧盆休暇を甘く見ていたようだ。
奥多摩駅入口を左折し、橋を渡るとすぐに氷川駐車場があるのだが、やはりここも満車であった。
特にこの日は天気が良かったので、アウトドア好きが一斉に郊外へと飛び出したのかもしれない。

「それじゃ奥多摩湖に車を置いて、そこから逆コースで行こう」
「最後は奥多摩駅からバスで戻ってくるわけか」

非常に大きな駐車場をもつ奥多摩湖。さすがに余裕の空きがあった。
むかし道の登山口に近い水根バス停前の駐車場へ車を置き、V2を首から提げてR411を横断、初っ端から斜面のついた車道を上がっていく。

「ここも山なんだね、涼しいや」

日陰に入ると途端に冷やっとした空気に包まれ、夏真っ盛りを忘れさせてくれる。日頃酷暑に苛まれているT君にとって、これもありがたいご馳走なのだろう。

青目立不動尊まできた時、カーブの脇に立つ“注意書き”が目についた。
読めば愕然、むかし道は大雪による崩落の為、9月いっぱい通行止となっているらしい。いきなり出鼻をくじかれたが、崩落の原因が雪ならば、年頭からずっと人が入り込んでないということだ。
未曾有の大雪はまだ記憶に新しく、時々歩く鳩ノ巣~御岳山もずいぶんと長い間通行止めになっていた。

「駄目だ、戻るしかないですよ」

ルール違反は分かっていた。しかし、何度も歩いて様相を知る道だけに、どのくらいの規模の崩落があったのか、無性にこの目で確認したくなったのだ。

「崩落ヵ所まで行ってみようよ」
「マジすか」
「見たいんだよ、どんな感じか」

+_DSC0790人が入ってこないから、道はけっこう荒れていた。工事に携わる人が行き来するだけなので、そこらじゅうに落石がごろごろだし、大小の折れた枝が散乱していたりと、いつものハイキングコースとは少々様子が異なっている。但、山道への直接的なダメージは既に補修されているようなので、最後まで歩きに支障はなかったが、崩落跡は数カ所にものぼり、最終的な改修にはまだ相当な日数を要すると思われた。

たまたま登山口から一緒だった年輩のご婦人が、草むらでこごみ、小さな花にカメラを向けている。
奥多摩山系を中心に、花の写真を撮るのが好きとのことだ。
写真好きが3人集まると面白い。気が付けば各々がそれぞれのターゲットにレンズを向け、会話が殆どないのに気分だけは盛り上がっている。

「この花きれいだな」

コケがびっしりと覆う大きな岩に小さくて可憐な花が咲いていた。

「それ、イワタバコって言うんです」
「詳しいですね」
「この辺じゃ、けっこう珍しいと思いますよ」

こんなやり取りをしながら中山集落まで登ってきた。
我々二人は周囲の山々や斜面に佇む家並みの撮影を行うことにしたが、ご婦人は留まらずに先へ進むとのこと。
ここでお別れである。

「ありがとうございました」
「とんでもない、気をつけて」

ここから先は下るだけ。車も通る林道を、ひたすらゴールであるJR奥多摩駅を目指すのだ。
“逆コース”は初めてだが、こっちの方が楽かもしれない。緩い上りを延々と行く“正コース”は、ハイキングコースと言えども意外にタフである。

二本目の吊り橋に近付くと、橋の半ばに二人の若い男性ハイカーが目に入った。
橋から渓谷を撮影しようと踏み出せば、注意看板に“橋を渡る際の定員は3名まで”と記してある。

「俺だけ入れないじゃん」

とは、T君。

しかし若い二人はすぐに対岸へ渡り姿を消した。
それに合わせてT君が入ってくる。
暫し橋の上から渓谷の撮影に没頭する。

ー あっち側に何かあるのかな。

+_DSC0692カメラを構えているT君をよそに対岸へ渡ってみると、そこには多摩川へ注ぐ支流があったのだ。その小さな流れが醸し出す冷たい空気は、汗をかいた頬や首筋へ何とも言えない心地よさを与えてくれる。

「おーい、こっちにも川があるよ」

すぐに飛んできたT君は、開口一番、

「ここ、いいじゃないですか!」

既に川縁にしゃがみ込み、下流に向かってレンズを向けている。
大小の岩、緑鮮やかな苔、そして清冽な流れ。
正に被写体だらけである。

ー ちょっと時間をかけるか。

奥多摩は広くて奥が深い。何度か訪れたむかし道でも、ちょっと枝道へ入ってみれば眼前に広がる素晴らしい光景が広がっているのだ。

写真好きな中年男の独り言