ニコン1 V2

Nikon1 V2について少々…

V23年前にニコン製ミラーレスが発売された当初は、それほど興味を惹かれる対象ではなかったが、撮影の殆どがスナップとアウトドアになりつつある昨今では、軽さと携帯性はとても重要な選択ポイントになってきた。この条件を満たして上で、要求する最低限のカメラ性能を考えると、自然に視線はNikon1へと向いてしまうのだ。
EVF(電子ビューファインダー)装備、しっかりとしたホールド感、ダイヤル/ボタン類の使い易さ、そして好みのデザイン。
選定要素はずばりV2を指していて、購入時の迷いは全く無かったと言っていい。
以前、ヨドバシカメラの店頭で2~3度ほど触ったことはあったが、実際に箱から出して手にとってみると、ビックリすることにその重量感はCoolPix S8200とさほど変らない。更にレンズを装着しても、ホールド性の良いグリップのおかげで重量らしき重量は殆ど感じられないのだ。
半日以上歩き回る街中スナップでは、本当にありがたい“性能”になるはずだ。
先日の鎌倉スナップでも、最後まで撮影の意欲を持続できたのは、荷物としての負担が小さいことに他ならない。

V2の撮像素子は1インチサイズのCXフォーマットである。その横幅は13.2mm。これは昨今のコンデジに採用されている1/2.3型(横幅:6.2mm)の2倍とかなり余裕があるが、一般的なデジイチのAPS-Cサイズ(横幅:23mm)と比較すれば約半分と少々心細く、画質に対しては過大な期待を持たない方が賢明だ。
試し撮りはまだ鎌倉スナップ1回だけなので、今時点でのコメントは難しいが、さすがに一素子が小さいが為、高感度は苦手と判断していいかもしれない。
ISOも400程度ならば、見られるレベルを保持できるが、ISO800まで上げてしまうと、徐々に色ノイズ(偽色)が気になり始める。
何だかんだ言っても、V2はNikonミラーレスのフラッグシップ的存在。よってこの立ち位置を考えれば、もう少々手を入れても良かったのではないだろうか。
この他はやはり鈍い読み込みスピードに尽きる。バッファメモリーの増設が簡単安価にできれば問題はないが、現実は無理な話なので、更に高速なSDカードでも手に入れてあんばいを見ようかと思っている。但この方法、機種によってはずいぶんと改善されることがあるようだ。
今後はSituationを変えつつ試し撮りを続け、操作をマスターすると共に、様々な角度からレポートを行いたいと思っている。

続き

鎌倉・歩き回り

6月27日(金)。紫陽花がピークを迎える鎌倉を歩いてきた。
先回はまさかの鉄道トラブルに阻まれ、果たせなかった鎌倉スナップ。そのモヤモヤを払拭する絶好の撮影日和に助けられ、4時間4ヵ所を一気に撮りきってみた。
しかも今回は、新たに入手したNikon1 V2のテストも兼ねていたので、その使い勝手も含めてレポートしてみたい。

鎌倉駅で降りると、初乗車となる江ノ電(江ノ島電鉄)に乗り換える。
ローカルな香りのする駅舎とホームは、そこにいるだけで旅ムード満点、電車に乗り込み走り出せば、子供の頃と同様、車窓を流れる景色に釘付けである。

鎌倉から四つ目の駅“極楽寺”で下車、“アジサイ坂から見下ろす由比ヶ浜”で有名な成就院へと向かった。
寺院へ通ずる石段が見え始めると、バッグからV2を取り出し、いつでもシャッターを切れるよう準備した。
その時、並んで歩いている年輩男性が、度々V2へ目をやっていることに気が付く。見返せば彼、キヤノンの1DナンチャラにLレンズを装着しているではないか。雰囲気から察するところ、結構な写真好きなのだろう。そんな趣味人だからこそ、軽量コンパクトな今時のミラーレスには自然と目が行ってしまうのだ。

石段を登り詰めると海が見えた。
なるほど、海を見下ろす坂の両脇にはこれでもかと紫陽花が咲き誇っている。これはなかなかゴージャスなロケーションだ。ややピークを過ぎた花も見られるが、まだまだ全体の色彩は華やか真っ盛りで、観光メッカに成りうることは十分頷ける。

早速、海も含めるベストアングルを探そうと色々試してみた。ところが単純にレンズを向けても、間違いなくファインダーに人が入り込んでしまうので、ここはちょっとひと工夫講じてみた。
足元を固定してからフェンスに体を預け、上体をできるだけ外側に反らせて人波を回避したのだ。
この作戦は意外とうまくいき、何とか思い通りの一枚をゲットできたのである。

しかしこの撮影でV2の欠点も見えてきた。
恐らくバッファが足りないのだろう。撮影画像の読み込みに結構な時間を要するのだ。画質を補う為に全てRAWで撮っているので、カメラからすれば重たくて厳しい作業状況に違いないが、リズムに乗って撮り進めるシーンなどでは、かなりなストレスを感じてしまうレベルであり、この点は是非改善を期待したい。

アジサイ坂を下り、陽光が燦々と降りそそぐ由比ヶ浜へと出てみた。
何度見ても浜から広がる海原はすばらしい。これだけで海の近くに住む人達が羨ましく思えてくる。サーフィンに興じる人、のんびりと日光浴をする人、公園でランチを楽しんでいる人、周囲の光景は正に平和の縮図なのだ。

若干の薄雲は出ていたものの、海特有の強い紫外線の一斉攻撃はきつい。
急に喉が渇いてきた。
地図を広げて現在位置を確認すると、次の目的地“長谷寺”は目と鼻の先だ。
海岸通りを横断して、江ノ電の“長谷”へ向かった。

斜面に咲き誇る2500株もの紫陽花は、掛け値無しに見事であり、北鎌倉の名月院と並んで鎌倉・紫陽花人気スポットであることは十分に理解できる。
但、散策路には入場制限を設けており、整理券を提示しないと前へ進めないのが難点。私も20分ほど待たされたが、その間、暑いのなんのって、半端じゃない。直射日光と人いきれで流れる汗が止まらない。
長谷寺では落ち着いてアングルを模索することなど到底無理だったので、大方のポイントだけ押さえておき、早々に次の目的地へ向かうことにした。

ー 腹へった~

12時はとうに回っているが、昼食はまだである。
本日最後の撮影地は、竹林で有名な報国寺なので、ここからだと江ノ電で一旦鎌倉まで戻り、そこから朝比奈方面行のバスに乗らなければならない。
時間は押している。結論、メシなど食っている暇はないのだ。
食事のことは全て撮り終えたら考えることにした。

ー 失敗した、あと一時間早く家を出ればよかった…

「すみません、報国寺へ行きたいんですけど」
「ちょうどいい、今あそこに停車しているバスです」

休憩中の運転手と思しき若い男性が、降車のバス停まで丁寧に教えてくれた。
旅先での親切な対応ほどありがたいものはない。
感謝感謝。

すぐに乗り込むと車内は意外や空席が目立つ。今は紫陽花のシーズンだから、竹林は穴場かもしれない。適度な冷房が汗を引いてくれ、ほんと天国のようだ。
それでも出発までの5分間で乗客はどんどん増えていき、結局は立つ人まで含めて満車となった。
鎌倉、恐るべし!

ものの7~8分で浄明寺バス停へ到着。報国寺はここから歩いて3分ほどだ。
それまでの寺院にあった喧騒はまるでなく、山門を潜ると静けさとひんやりとした空気に包まれほっとする。
拝観料を払って裏手に回ると、そこは更に冷え冷えとした空気感が支配する、見事な竹林が広がっていたのだ。

「なんか急に写真撮りたくなっちゃった」

前を歩いていた二人連れの若い女性が、徐にスマートフォンを取りだしパチリとやった。
この気持ちはよく分かる。この竹林はそんな気分にさせる圧倒的な荘厳さを放っているのだ。
小道を歩き進むと様々な角度から日光が入り込み、辺りはそれに合わせて影が微妙に変化し興味は尽きない。
そして足利氏一族の墓である“やぐら”は、古都鎌倉の歴史を彷彿するに相応しい佇まいをみせ、紫陽花越しにレンズを向ければ、時間を忘れること屡々なのだ。

ここ報国寺ではV2の機能についても色々と試してみた。
竹林はコントラストが強く、良く使っている中央部重点測光でのAEロックだけでは、露出決定に難しい場面が多く、それではと、ライブビューでの露出補正機能を使ってみることにした。
モニターで見ながらの補正は直感的で使い易く、とても便利な機能であるが、帰宅してPCに取り込み確認すると、全体的にややアンダーに出てしまう傾向があった。但、全てRAWで記録しているので十二分な補正範囲にあり、今後これは面白い武器になるのではと、ついついほくそ笑んでしまう。
しかしEVFを使いながらのダイヤル操作は、相当な慣れが必要で、何度もファインダーから目を離さなければならないのには閉口した。

鎌倉は訪れる度に新発見があり、興味は尽きない。
湘南新宿ラインに江ノ電をプラスさせ、行動範囲をもっと広げてみるつもりだ。
当分のお供はV2で決まり!

安心して眠れるかな?!

bed25年もの長い間愛用し続けてきたベッドマットがついに壊れてしまった。
壊れるまで使うというのも問題といえば問題だが、延時間で7年半も大切な睡眠を支えてくれた優しき相棒に対して、痛みが進んでいることはある程度分かってはいたものの、心情的に即廃棄とはいかなかったのだ。
そう、あの寝床感を二度と味わえないと思うと、もの悲しさも沸いてきたし…

 

「やだパパ、横が破れてスポンジが出てきちゃったわ」
「ほんとだ、ゴホッ」

ー これは酷い。

粗大ゴミ回収日の前日、女房に助っ人を頼み、セミダブルの大きなマットを二人掛かりで二階の寝室から一階まで下ろしたのだが、動かす度に破れは広がり、その度に埃や細かくなったスポンジが噴出、それはもう凄まじい断末魔を見せたのだ。
マットカバーは10年ほど前に交換したきり一度も外したことがなかったので、ここまで凄まじい状態になっていたとはつゆ知らず。
うりゃ==!と動かせば、スポンジがちぎれて横からスプリングも見えてきた。

「これで俺の鼻炎も治りそうだな」
「そうね」

この状態では寝返りを打つ度に微量な埃が立っていたに違いない。埃といってもその内容は、カビ、雑菌、ダニ、フケ、垢等々のおぞましい物質であり、それを毎夜吸い続けてきた事実が何とも怖い。況して“吸い込み累積量”を考えたらまじめに鳥肌が立ってくる。
特にダニはアレルギー性鼻炎の大敵であり、日頃よりの対策が必要なのは重々理解しているつもりだが、これだけ寝具が古くなると、どうせ何をやっても駄目だろうと、手を拱いていたのが現況だ。しかしこの荒れ果てたベッドマットを目の当たりにして、やるべきことの重要性をやっと理解できたところだ。

「新しいマットは買わないで、絢子のベッドを使ったら」
「シングルか、ちょっと狭そうだな…」

娘が使っていたベッドを寝室に持ち込むと、シングルというスリムさを利用して、掃除機を掛けやすいように両側へゆとりのスペースを持たせて配置した。
マットも軽いので、定期的に取りだして天日干しにすることも容易そうだ。

先ずは第一歩、ですかな。

写真好きな中年男の独り言