デニーズOld Boy’s 新メンバー

 雨降りの夜は久々だ。少しだけ開けた窓から、ときたま冷たい外気が寝室へと流れ込み体を舐めていく。横になって雨音に耳をすませば、自然と気持ちのいい眠りが訪れる。
 ― 熱帯夜よ、もう来ないでおくれ。

 八月十二日(水)。台風関東上陸の最中、定例のデニーズOB会が立川で行われた。今回より新メンバーのKOさんが加わり、いつもに増して盛り上がった。ただ、残念なことは幹事のIさんがぎっくり腰にやられ、土壇場になり不参加となった。ぎっくりってのは突然発症するから始末が悪い。私も現役時代を振り返れば、二~三年に一度は苦しめられたものだ。

 立川北口にある“酒亭玉河”は、やたらと客入りのいい店だ。十二時待ち合わせで入店すると、ほぼ八割がた埋まっている。旧盆期間とは言えども、昼間っからアルコールを求める諸氏は想像以上に多い。
「KOです、よろしくお願いします」
 小柄なKOさん、六十五歳にしては若々しい。笑顔も豊かでノリもいい。しかも話題が秋の一泊旅行に入った途端、
「わたしも行きます!」
 よっしゃ、これで旅行も盛り上がること間違いなし。

 相変わらずだが、この面々は全員高齢者にもかかわらず実に飲みっぷりがいい。ピッチが早く、皆に合わせておかわりをし続けると危険だ。この頃はめっきり弱くなり、生二杯以降はペース配分に気を遣う。うかつに飲み過ぎると必ず脚にくる。三鷹から自宅までは恥ずかしいほどジグザグになり、危なくてしょうがない。
 酒亭玉河は二時間制だったので、会計を済ませると、出てすぐ左手にある焼きトンの店“たまや商店”へ入ってみた。開店時刻が十四時半なので、十分ほど待ってから一番乗り。再び盛り上がっていくが、席についてから二時間経っても新たな客はなく、
「この店、大丈夫なの」
 とはYOさん。
 接客も料理も悪くないのに不思議である。もっとも立川は居酒屋激戦区だから、利用客が分散してしまうのだろう。しかし余計な心配は無用だった。十七時手前から次々に入店があり、瞬く間に七割の席が埋まった。
「うわっ! 外見てください」
 突然KOさんが窓を指さした。まったく気がつかなかったが、滝のような雨が降っている。
「そのうち小降りになるよ」
 とは呟いたものの、店を出る十八時近くまで止むことはなかった。
 いくつもの台風がまとめて近づいてきたり、はたまた逆方向から上陸したりと、自然のリズムも狂いだしている。
 それにしてもだらだら続く酷暑だけは勘弁願いたい。
 秋の澄んだ空気の下、OB会旅行が楽しみだ。

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