いなば和幸 武蔵境店・女房とランチ

 我が家では四年前から観賞魚のグッピーを飼っている。その前はメダカだったが、グッピーは産卵ではなく稚魚をそのまま生むので手間いらず。当初はメダカとグッピー混合の水槽だったのが、いつのまにかメダカの姿は消えた。メダカは卵を産むと、成魚が食ってしまうから、数を増やそうと思ったら別水槽へ移すなどの管理が必要だ。
 水槽のメンテは私の仕事。水替えは十日毎に行っている。水質劣化も理由だが、髪の毛のような緑の藻や黒っぽい藻が盛大に繁殖し、肝心なグッピーが見えなくなる。水槽のガラス面、ろ過機、流木、石、水草と、どこもかしこも藻だらけになるが、この除去がちょっとした一仕事。特にろ過機の吸い込み口と内部は頑固に張り付いていて、歯ブラシと小型のタワシでゴシゴシやるのだが、もっと腰の強いブラシだったら効率も上がるのではと常々思っていた。頭に浮かんだのはダイソー。あそこならば安くて頃合いのいいものが見つかるはずだ。

 六月二十七日(土)。この日は十一時からリチャードのトリミング予約が入っていた。ロックの頃からずっとお世話になっているトリマーの山田さんが三鷹市新川で経営する店【Sarlly’s Style】へ預けに行く。作業には二時間半ほどかかるので、その間にヨーカドーへ行って、ダイソーでの買い物とランチを済ませばちょうどぴったりだ。
「まだ昼前だから、空いてると思うんで、最初にご飯食べちゃおう」
「どこいく?」
「そうだな、和幸にするか、とんかつ」

 暖簾をくぐると愛想のいい年配女性のスタッフが席まで案内してくれた。見回せば他にも三つほどテーブル席が空いている。注文はいつも決まっていて、女房はヒレかつ定食、私はロースかつ定食。
「ごはん、キャベツ、お味噌汁はお代わりができますのでお申し付けください」
 数年前までは間違いなくすべてお代わりをしていたが、加齢のせいか、今ではえらく腹が減っているときでも、お代わりをたのむことはほとんどない。
「お代わりはいかがですか」
「いやけっこう」
「麦茶、お注ぎしましょうか」
「ではお願いします」
 ちゃきちゃきと動きのいい年配女性スタッフ、満面の笑顔を絶やすことはない。ちなみに和幸のとんかつは値段の割に美味しい。私は好きだ。

 ダイソーはアイテムが恐ろしく多く、売り場は迷路のようだ。欲しいものにたどり着くまでは難儀だが、いいものが安く買えるのでちょくちょく利用している。台所コーナーと浴室コーナーで、よさげなブラシ一~二点を発見。形状からろ過機の清掃に使いやすそうなものを一つ選んだ。300円なり。
 さらに売り場を回るとダイソーマジックにかかってしまう。塩の容器、ニトリルグローブ、ストッキングと予定になかったものが次々とバスケットに入っていく。それでも1,000円でおつりがくるのだから、もはやレジャー。


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