鰺の天ぷら・女房とランチ

いなげや 武蔵野西久保店

 いなげやへ買い物に行こうと、井の頭通りから路地へ折れると、前方からご近所のTさんが買い物袋を片手に歩いてくる。八十を越えているが、毎日の晩酌を欠かさない元気なご主人だ。彼も私と同様、いなげやの常連客で、利用するのはたいがい十時の開店直後。数年前に犬の散歩で知り合いになった。愛犬はリチャードと同犬種なので、話も盛り上がる。
「あのさ、Aさん、歩き方なんか変じゃない」
 Aさんという方も同じ町内の犬友達で、小型犬を飼っている。
 この間、久々にAさんと出くわすと、目の周りの青あざがあまりに痛々しかったので思わず話しかけると、散歩の際、突如犬がダッシュし、引っ張られた拍子にバランスを崩して転倒、顔面をしこたま打ったとのこと。そういえば先回、歩くスピードが上げらず、踏ん張りも効かなくなったとぼやいていた。
「強打した頭と一緒に脚の精密検査も受けるみたいですよ」
 Aさんと私は同い年。古希を過ぎれば何が起きても不思議じゃない。

 いなげやでおかずを一品買って、家で蕎麦でも茹でて食べようかと、総菜コーナーを見て回ったが、めぼしいものがなかったので、卵と牛乳だけ買って引き返した。
「パパ、お昼なにか作る?」
「いやべつに」
「じゃ、丸亀行こうよ。豚しゃぶ食べたい」
 麺類だったら食べたい気分である。

 丸亀製麺、好きな味に変わりはないが、新鮮味はもう感じない。価格がどんどん上がってきたことでお値打ち感もだいぶ萎んだ。ただ、試しに食した鯵の天ぷらはなかなかGooだ。
 今夜の晩酌は天ぷらと冷酒で決まりかな。


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