古希を越えれば

対象対策
たばこ 吸わない
他人のたばこの煙を避ける
飲酒はひかえる
食生活減塩
野菜と果物不足にならないように
熱いものは冷ましてからとる
適度な運動
体重BMIは適切な範囲内に
感染検査と予防接種を受ける

 先日、国立がん研究センターより発表のあった【科学的根拠に基づくがん予防法】の最新版によれば、飲酒に対してこれまでの「節酒(お酒を適量に抑える)」という表現部分が、近年の研究で「少量でもがんリスクを高める」ことが明確になり、「ひかえる」へと置き換えられた。
 アルコール好きの諸氏には耳が痛い話だろう。私も休肝日を設けて、少しでも体に負担がかからないよう辛抱していた矢先だったので、奈落の底に突き落とされたような気分だ。ただ、ひかえることは全く考えてない。三百六十五日浴びるように飲んでるわけではないし、晩酌の心休まるひと時を大切にしている程度でがんに罹るなら、これはもう諦めるしかない。

 無事定年を迎えて悠々自適な生活が始まったら、この考えだけは念頭に入れておこうと思った。
 <嫌なことや辛そうなことは絶対にやらないし、頼まれたら断る>
 <やりたいことは行動に移す>
 ふり返れば長い間、責任と時間に縛られてきた。これは社会人なら皆同じだろう。仕事に就かなければ家族を養えないので、心と体を削りつつ頑張ってきた。それが微々たる蓄えと年金であっても、仕事から完全に解放されると、思ってもみなかった安らぎに包まれた。安堵のため息と同時に、夢にまでみた日々が始まったのだ。

 古希を越えれば、毎日の過ごし方や考え方も変わる。
 日本人男性の平均寿命は八十一歳、健康寿命に至ってはなんと七十三歳である。これを自分に当てはめれば、棺桶まで十年、カメラ片手に日本全国津々浦々も、残すところたったの二年。そうはならないようにと願ってはいるが、統計的数字は傾向を如実に示すもの。
 楽しい時間は限られている。こう考えれば、大好きな晩酌がたとえがんの引き金になろうとも、あまり気にすることはないわけだ。そもそも、がんが怖くて一切酒を断ったって、罹患しない保証はないのだから。むしろ晩酌という楽しみを捨てたのちにがんを宣告されたら、ダブルパンチである。


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