
いまだ決着を見ない“微熱騒動”。あおりを受けて今年の秋はインドア生活を余儀なくされている。秋のベストシーズンに一度も山へ入ってないのは恐らく初めて。もっともこの頃では奥多摩でも熊被害が出ているようなので、いい機会だと解釈し、少しの間控えようと思っている。とは言え、大谷翔平の野球中継と読書ばかりではストレスがたまる。友人を誘って昼呑みができれば一番いいのだが、十一月七日の検査結果を確認するまではアルコールご法度である。
アルコールと言えば、十月五日から完全に断っているので、そろそろ一か月近くになる。これだけ長く断酒をするのは、飲み始めた高校二年生の頃以来だ。
アルコールはやはり害があるのかもしれない。体の深部まで染み渡ったウィスキーや日本酒が徐々に抜け始めると、確かな変化が現れる。
わかりやすいところでは、胃腸の調子が上向いた。特に昼食時と夕飯時にはこれまでにない空腹感を覚え、胃がキュルキュルと音を立てて催促する。もちろん食すればこれまで以上に美味くいただける。睡眠の質も上がったように思う。毎晩ぐっすりと眠れ、夢も殆ど思い出せないほどだ。
肝臓の数値の悪さが一時的なものであれば、再びアルコールを楽しむ生活に戻りたいが、毎日の晩酌は慎み、飲酒量も厚労省が発表した「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を厳守し、楽しいひと時を長く続けられるよう肝に銘じたい。

「あ~~、腹減った」
すると、女房がスマホを見ながらつぶやいた、
「かつや、行こうよ」
かつやは昼前からウェイティングが続くが、ここのいいところは回転が早くてすぐに席が空くこと。
「はい、二名様、テーブル席へどうぞ」
早速メニューを広げると、
「おっ、これいいね、“2個たまカツ丼”」
「あたしはヒレカツ丼。でもパパ、朝からこれで卵三個目だよ」
「いいじゃん、べつに三個ぐらい」
かつやも丸亀製麺同様、メニューの開発を怠らない。そんなこともリピーターの多さにつながっているのだ。
「おまたせしました」
なるほど、カツが見えないくらい卵がのっている。しかもつゆだくだ。カツ丼でも親子丼でも、つゆだくの方が好みなのだ。
ん~~、おいしくいただけた。ごちそうさまでした。