話は2024年2月頃。
月が替わると寒さも増し、関節や筋にとってより厳しい季節を迎えた。ところが嬉しいことに右膝の痛みは確実に軽減しつつあり、特に力の入れ方にさえ注意していれば一般的な登山でもそれほど支障をきたすことはなくなった。
そんなわけで二月の中旬。西伊豆まで足をのばし、まずは高通山へ登り、その日は南伊豆の“らいずや”に一泊、翌日には長九郎山登山と二日連続で山へ入ってみた。それぞれの登り始めには多少の痛みが出たものの、その後は問題なく歩き終え、日々行っている膝のケアに間違いはないと確信した。
気はますます上向き、毎日のウォーキングにより一層の力が入った。少し前までは走り出すと痛みが出たが、厚底シューズと継続のおかげか、おおよそ100mごとにウォークとジョグを切り替えつつ、ついに5.4Kmコースをクリアできるようになった。そこで上り調子に便乗し、連続で1Kmのジョグにトライした。
「いける!」
息は切れたが痛みは無し。ただ、脚力がまだ足りないので走りに安定感を欠き、ふらつきやつまづきが出てどうにもリズムがつかめない。再三、姿勢、腕の振り方、脚の出し方等々を確認しても、すぐに走りがバラバラになってしまう。こうなると疲れを余計に感じてしまう。
正しい走り方は様々な文献やwebからそれなりに勉強していたので、安定した走りを実現するには最低限の脚力が必要なことはよくわかっていた。よってまずは脚力をつけることを当面の目標とし、余計なことは考えずに毎日走りに走った。