ふと、中学高校時代にとても仲の良かった同級生の名前が前触れなく脳裏に浮かんだ。
彼はGという。
十九歳の時に米国へ渡り、一旦はオクラホマ大学へ入学するが、何故か中退。その後はマイアミで仕事に就き永住権を獲得。フィリピン人と結婚すると子供にも恵まれ、自己所有の家まで手に入れた。
二十数年ほど前までは、五~六年に一度、両親の住む日本へ帰ってきていたが、それ以降は全くの音信不通。
コンタクトの術がない中、以前にも一度トライしたことがあるが、Gの名前をローマ字も含めてwebで再度検索してみたのだ。
先回は全くヒットしなかったものの、今回は一発で引っかかる。
いきなり彼本人や懐かしいおやじさんやおふくろさんの写真が出てきてびっくり。ところが何か様子がおかしい。実はこのサイト、米国版の“お悔やみサイト”だったのだ。恐る恐る見ていくと、忌日二〇二二年四月十一日とも記してある。狐につまされるとはまさにこのことか。
同級生は今年で満七十歳を迎える。訃報が相次いでも決しておかしくない年齢とは言え、ここ二年の間で親しかった友人が三人も亡くなってしまうと、正直なところ気が萎える。