謹賀新年 ことしはやるぜ!

 新しい年が始まった。年頭においては、誰しも今年こそはと様々な希望や願望に対し志を抱くのだろうが、そこから一年、年末に至ってみて、こぶしを握り「頑張った!」とニンマリできる人はそう多くはないだろう。
 そう言う私も、昨年は公私共々まったく煮え切れない日々を送ってしまった。一本でいいから小説を書きあげたい、もうちょっと絵もうまくなりたい、自他ともにワングレードアップした写真を撮りたい等々、いろいろな思惑を込めてスタートしたものの、またこうして浅草寺へ初詣にでかけ、お賽銭を放り込み、手を合わせれば、去年とまるで変わらない自分がいるのだ。
 気がついたら棺桶に片足を突っ込んでいた、なんて悲しい人生にならないよう、己を戒め、今年こそは半歩でいいので確実な前進を果たしたいと考えている。
 女房が知人から聞いた話だが、“めんどくさい”と口走ったり、心の中でつぶやいたりすることが多くなったら、それは老人化が進行している証だそうで、自分に当てはめると、ややその傾向もあるかなと、大いにショックを受けた。
 加えて、めんどくさいが口癖にまでなっている人は、たいがい行動力が欠損していて、何の変化もない毎日を繰り返しているそうだ。

 一月二日(月)。女房と二人、浅草駅の階段を上って地上に出ると、闊歩する人があまりに少なく呆気にとられた。理由はわからないが、なんだか寂しい。雷門の前まで来ても人の渋滞は起こらず、そのまま仲見世通りへと入っていけた。
 昔はスムーズな流れを維持するために、この通りは本殿に向かっての一方通行だったが、今回は規制も入ってないようで、ほぼ自由。かえって歩きづらくなった。

 時間的にちょっと早めだったが、この界隈はどの店も非常に込み合うので、昼食を取ることにした。先回は花屋敷の近くで見つけた小さな定食屋だったが、味が薄く辛くないカツカレーや、冷凍食品以下のハンバーグはこりごりなので、今回は上野まで歩いて駅前でよさげな店を探そうということになった。

「パパ、あそこ、いい感じじゃない?」
 入谷口からすぐのところにあった中華料理店が営業していた。時刻は十一時半前だったので、客は三組しか入ってなく、店内もきれいだったので、今年は落ち着いてまともな食事にありつけそうだと一安心。女房は黒酢酢豚定食、私は回鍋肉定食を注文した。どちらも本格中華で最後までおいしくいただけ、ごちそうさまである。店を出るころには満席になっていた。店名は『龍城 上野本店』。料理のできあがりがもうちょっと速ければ、人に勧められそうだ。


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