彼岸花

 自宅の門の前、歩道の生け垣の中から顔を出している彼岸花。どこから来たのか、はたまた誰が植えたのやら。発見したのは大凡二十年前。その後、毎年この時期になるとしっかりと咲き出し、その生命力は健気に思え、また神秘的だ。
 朝の散歩の際に暫し眺めていると、共に亡くなった親父とおふくろが、「お彼岸の墓参りには、きれいに墓を掃除してね」なんて、ふと訴えかけてきたような気がして目を見張る。なんだかこの彼岸花が、菩提寺である大仙寺とつながっているように思えてくるから面白い。


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