中古でしかも旧型だが、久々に新たなレンズを手に入れた。
タムロン製<SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A005)>である。
D600がメイン機になってからは、殆どNikkor24-120mmVRとSIGMA12-24mmの2本でカバーしてきた。この2本にはそれぞれ十分な魅力があり満足しているが、撮影シーンによっては望遠側に不満が出ることがある。これはD100時代にNikkor18-200mmを常用していたからだろう。特に先回の三島では、人物を狙ったスナップが中心になり、もう一歩寄れないがためにシャッターチャンスを逃す場面も少なくなかった。
随分と古い話になるが、コンシューマー向けデジイチの黎明期と言われる頃、当時の各社モデルはD100も含めてISO感度性能が情けないほど低く、見られる画質を保つとなるとISO400を上限としなければならなかった。ISO3200まで上げても見栄えの良い画像が作れるD600とは月とスッポンの差だ。
D100を入手した頃、街を徘徊し目に付いたものは全て撮影するという、今で言うところの“お散歩スナップ ”に嵌っていたのだが、夕暮れ時やちょっとした木陰に入ると途端に光量不足となり、シャッター速度が稼げなくなる。スナップに三脚やストロボは使えないので、しょうがなく息を止めてシャッターを切るが、悲しいかな手ぶれ写真のオンパレードとなった。
そんな頃に発売されたのがタムロンの<SP AF28-75mm F/2.8 XR Di >である。
ズーム全域でF2.8という明るいレンズはシャッター速度を稼げるので、ここぞという時に強い。新製品でもNikkorと比べれば安価であり、更に雑誌のインプレッションからは好印象をうかがえる記事が連発した。
こうなるといてもたってもいられなくなり、ヨドバシカメラ新宿本店へ。案の定、帰りにはレンズを抱えていた。
早速試し撮りをすると、発色の良さと合焦スピードが際立ち、ボケ味もまずまず。特に写真友達のTくん夫妻と伊豆の松崎へ旅した時、彼らの愛犬を花畑で撮影したのだが、出来上がった画は自然なボケが醸し出す立体感に溢れ、おまけに色味も癖のないものだった。
よってタムロンはお散歩スナップの常用となり、ずいぶんと楽しませてもらった。ところが後にNikkor24-120mmVRを入手すると殆ど出番はなくなった。Nikkorに負けず劣らずの画質でも、やはりシャッターチャンスに滅法強いVRの前では影が薄くなってしまうのだ。
前書きが長くなったが、8月29日(水)、手に入れたタムロン70-300mmをD600に装着し、地元の井の頭公園で試し撮りを行った。
結果は予想以上。シャープさとコントラストの高さはNikkor24-120mmVRの上を行くと見た。画質はやはりSP AF28-75mm F/2.8 XR Diの流れを汲むもので、好印象この上ない。
そしてもう一つは、VRに負けず劣らずの手振れ補正効果だ。
テレ端で様々な被写体を撮り込んでみたが、D600のISOオートと合わせれば、よほど荒っぽい撮り方をしない限り、ほぼ100%手振れを防ぐことができる。
最近低迷状態であった我が写道楽も、どうやらこのレンズがカンフル剤となってくれそうだ。
こうなると今から紅葉の季節が待ち遠しくなる。