油断禁物

7月17日(月)付けの読売新聞に【低い山でも遭難多発】という見出しの記事が載った。以下は記事の抜粋である。

昨年の山岳遭難は2,495件、2,929人と、共に過去2番目に多く、死者・行方不明は319人。低山が多い首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)に限ると、件数、遭難者数とも5年連続増で、昨年は34人が死亡。今年も遭難は多発しており、最高峰が400m強しかない千葉県でも、5月末までに3人が死亡した。

例を挙げよう。
3月10日(金)。千葉の鋸山では、71歳同士の男女が、よりによってハードな登頂を強いられる難コースを選び、山頂近くで目撃されたときには疲労で足元もおぼつかなかったという。しかもこの時点で時刻は午後4時。季節を考えれば既に夕闇が迫っていたはずだ。疲労困憊を背負いながら暗い山道を下るのは、ベテランでも緊迫するところ。
恐らく焦りが働いたのだろう、山道と斜面を誤認して滑落。発見は4日後だったという。
これは無計画な登山がもたらす事故の典型と言えそうだ。

5月5日(金)。山梨の尾白川渓谷では、小学4年生の男児が渓谷へ転落、死亡した。
ここは二度ほど歩いたことがあるが、尾白川渓谷を紹介するいくつかのキャッチコピーからは、何気にハイキングコースレベルと勘違いさせるニュアンスが漂う。しかし実際は紛れもない山道なのだ。深い谷をトラバースしていくコースには、何ヶ所も危険なポイントがあり、足を滑らしたら最後、大人でも致命的な結果を招いてしまう。
山道は花崗岩が風化した砂利が多い為、滑りやすく、トレッキングシューズの着用は必須。ちなみに男児が履いていた靴はスニーカーだった。

何れも低山という油断が起因する事故と思われ、観光地でもその裏側には大きな危険をはらんでいる事実を表している。


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