黄昏のひと時

ピーナッツ

私は無類の酒好きである。
高校生の頃からやり始めた晩酌習慣によるものか、アルコールのない晩飯はちょっと考えられず、一日の終わりにはほろ酔いがもたらす微睡みがあって当たり前という認識さえ持っている。
アルコールなら何でもウェルカムだが、一番は日本酒、その次は焼酎か。以前はウィスキーを好んだが、この頃では飲み心地がきつく感じるようになり遠ざかっている。
安月給も多少は関係しているが、何故か昔より高価な酒には興味が沸かず、専ら庶民レベルを探しては試し飲みというのが好きなやり方だ。一升1,000円前後で好みを見つけたときなど、単純に嬉しくなり、大概5~6回は続けて買ってしまう。焼酎も甲類にポッカレモンを垂らしただけのシンプルな飲み方が好きで、彼此10年以上は続けている。本格焼酎なら“いいちこ”が良い。

休みの日。夕刊が届くとキッチンでつまみを漁る。
豆好きなので、皮付きピーナッツ、ミックスナッツ、柿ピーは常時欠かさない。この頃では甘くて香ばしくて止まらなくなる、ストライクイーグルの“ハニーローストピーナッツ”もよく仲間入りする。
適量を小皿に盛ったら、小さなグラスに氷を一個、それに焼酎を注げば、あとは限りなく寛げる黄昏のひと時を待つのみ。
夕刊のページをめくっては、ポリッ、そしてチビッ。
これをゆっくりとゆっくりと繰り返す。
そのうちに何とも言えない幸せが体中に満ちてくるのだ。


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