H.I.S. 日帰りバス旅行

kocyouran

運営者任せとリーズナブルな参加費で、我が家の恒例行事として定着しつつある日帰りバスツアー。
今回は山梨県の昇仙峡を中心に周遊するH.I.S.の企画を選んでみた。

「あれ、誰から電話だろ?」

新宿西口の三菱東京UFJ前は、各旅行会社が企画するバスツアーの集合場所として定着している。
歩道を占拠する大勢の出発待ち客をかき分けて進んでいくと、我々の受付はすぐに見つかった。
添乗員が掲げるH.I.S.のブルーの旗は実によく目立つ。
バスは既に到着していて、乗り込んでいる客もけっこういるようだ。
腕時計を見ると7:15。出発まで若干の時間が残っているので、近くのコンビニへ買い出しとトイレ借用で急いだ。
用を済ませてバスへ戻ろうとした時、携帯電話が鳴った。

「はい、木代です」
「H.I.S.ですけど、出発時刻が過ぎているのでよろしくお願いします」
「えっ、“半”でしょ?」
「20分です」

朝からやってしまった。

1月2日(金)。参加客30名を乗せたバスは軽快に中央道を走った。心配された正月渋滞も無いようだ。
車内は適度な暖房がきいていて、たちまちウトウトとしてくる。
乗り物に揺られながらの一眠りは実に気持ちがいい。

勝沼ICを下りると、最初の目的地“ハーブ庭園旅日記”へと向かった。
暖かい季節なら様々な花やハーブが広い庭園に咲き乱れているのだろうが、この時期は温室内の鮮やかなシクラメンとゴージャスな胡蝶蘭が来場客を迎えているようだ。
それにしてもここのスタッフは営業上手だ。ウイットに富んだ商品説明は、100%ハーブの化粧水やローション、そして目に良い果汁100%のブルーベリージュースを見事に売りまくっていく。

「それください」

おっと、やられたようだ。
うちの女房、ブルーベリージュースのボトルを掴んでにんまり。
しかし最後の餅つき体験では、周りから「よいしょ==」なんて歓声があがって、なんだか楽しくなってしまった。
ちなみにハーブ庭園旅日記は入場料が無料だ。

次に向かったのはマーズワインセラーズ。
昨年のゴールデンウィーク・バスツアーで、ほったらかし温泉へ行く途中で寄ったところだ。
好みの問題とは言え、ここで試飲できるワインの殆どが、赤玉ポートワインに代表される糖分たっぷりの甘いもので、最初のひとくちならまだしも、ふたくちめになるとその甘さが煩くなり、私の場合はNo,Thank Youとなる。
出しゃばるつもりはないが、スタッフの説明するがままに試飲を進めていけば、初めて訪れるツアー客の多くが、全てのマーズワインが甘いものだと勘違いするだろう。

昼飯は昇仙峡入口にある“ほうとう会館”にて、ほうとう定食をいただいた。
その店名からして、ほうとうの伝道と言うべき味とクオリティーを期待したが、結果はハズレだった。ダシが殆ど効いてなく、やたらと薄味の汁。オーバーボイルの麺。里芋はできあがり直前に入れたと思われるパックの水煮等々、残念ながら同じ山梨県下の人気店である“ほうとう不動”や“小作”とは比較にもならないレベルだった。
但、セットで付いていた鮭の御飯と野菜のバター焼きは上々の風味で、これがなかったら少々寂しい定食だったかもしれない。

shousenkyou

十数年ぶりに歩いた昇仙峡は、新鮮味こそ感じられなかったが、落差30mを誇る“仙娥滝”は何度見上げても迫力があり、飛沫で浮き上がる虹は見事だった。
V2のファインダーにはシャドー部に青味のかかった滝壺が映し出され、自ずと構図作りには力が入った。ここだけで約20枚を撮影する。
深い渓谷は非常にコントラストが高く、露出設定が難しかったが、V2のダイヤル操作に慣れてくると、こんな時はAEロックが大きな武器となり、リズミカルに様々な濃淡で撮影することができた。

さて、最後となった目的地は、絶景を眺めながらの露天風呂“みたまの湯”だ。
広い駐車場は殆ど満車状態で、その余りな混雑ぶりは到着したとたん引いてしまうほどだ。
受付を済ませ脱衣所へ行けば、予想どおりの人いきれ。風呂に入る前に汗をかきそうだ。
しかしお湯の具合は私好み。どちらかといえばぬるめで、気持ち良く長く浸かれるタイプ。泉質もマイルドで気分を和らげてくれる。おまけに浸かりながら眺められる富士山やアルプスもなかなかのものだ。

「お湯の感じ、良かったわ」

次回は平日で空いている時に訪れてみたい。

帰路の中央道は一度の渋滞で済み、ほぼ予定通りに新宿へ戻ってくることができた。
なんだかんだ言っても、オール込み一名8,000円で楽しめるバスツアーは、マンネリがちな日々の生活にアクセントを付けてくれる、手軽でナイスなイベントと言えそうだ。


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