初っ端 2018

五日市小学校

4月19日(木)。二連休の初日は快晴との予報がでた。今シーズン初っ端の足慣らしにはもってこいと、急遽山行を計画。もちろんコースは馴染みの御岳山である。
先回は鳩ノ巣~城山コースを使ったので、今回は久々に古里から大塚山経由で登ってみることにした。

毎度のことだが、初っ端は足ができていないので、膝痛との戦いになる。持病の腸脛靭帯炎だ。少しでもこれを和らげようと、日々ストレッチングにいそしんではいるが、それがどれほどの効果を得られるか、今回の山歩きには期待が掛かっていた。
鳩ノ巣駐車場へは8時半に到着。青梅街道の流れが頗る良く、予定より30分も早く着けたので、余裕をもって青梅線8:54の上りに乗ることができた。ちょうど通学時間帯なのか、小学生7名が一緒に乗り込み、また同じく古里で下車した。ということは鳩ノ巣に小学校はないのだろうか。
準備運動を終え、古里の御岳山登山口を出発したのは9:15。快晴で風もなく、地元よりやや肌寒い気温は、山歩きを快適にさせてくれそうだ。

久々の山は例外なく手厳しい。
歩き出しから上りの連続で、どうにもこうにも息が乱れ、一気に汗が噴き出してきた。30分もすると何とか体が慣れ始めたが、悲しいかな、負荷から遠ざかっていた体を再び山慣れさせるのは、年々難しくなってきたようだ。
出発から1時間弱で大塚山へ到着。いつ訪れても賑やかな山頂なのに、今日は人っ子一人いない。それではと、一番きれいで日当たりのいいテーブルを独り占めにし、セブンイレブンの新商品“ソースが決め手!コロッケパン”を取り出し早速いただく。パンはややパサついていたが、ソースがよくきいたコロッケとの相性はGoo。パッケージには“温めて美味しい”と書いてあったので、まあ、パサつきはしょうがないところか。
風が出てくると急激に汗が冷やされ、寒さを感じる。
大凡15分の休憩で出発。日の出山を目指す。

今回は己に厳しくいこうと、常用グッズのトレポは終始使わないと決めていた。弱った足腰はとかくバランスを失いがちだが、そんな時トレポはとても役に立つ。しかし、裏返せばごまかしがきいて、本来のバランス感覚が戻りにくくなるという弊害もある。
更に今回は“歩き方”にも工夫を入れた。膝に負担がかからないよう、なるべく足をまっすぐ前へ出す歩き方だ。私の歩き癖はつま先を外側に向ける外股だが、一方方向へしか動かない膝関節にとってこれはやや重荷。360度方向、つまりピロボールのような動き方をする肩関節とは構造的に異なり、一方方向以外への動きに対しては、股関節がそれを補っているのだ。肘と肩、膝と股間という関係である。

日の出山山頂直下まで来ると、何やら上の方から子供の声が聞こえてきた。
歩きづらい石段を一気に上がると、そこには大勢の子供たちがいるではないか。すぐに座りたかったので、あちらこちらのベンチを見回したが、一番手前にはおじさん三人組が、そして東屋の向こう側は全て子供たちに占拠されていた。ところが東屋には引率の先生らしき男性一人しかいなかったようなので、手前のベンチに腰掛けた。

「こんにちは」
「遠足ですか」
「はい、五日市小です」

ざっと見まわして生徒40名、引率の先生5名といったところか。今日はとりわけ人影に乏しい山中だったから、この賑やかさは新鮮である。

「何年生ですか」
「6年生です」

6年生と言っても、5年生が進級したばかりなので、皆小柄で幼く見える。特に男の子は顕著で、どちらかと言えば女の子の方が平均して体格がいいのでは。

「これから金毘羅尾根を下って帰るんです」
「へーっ、結構距離ありますよね」
「8kmくらいですか」

その時、一番年かさのいっている先生が近づいてきて、

「そのカメラ、ニコンなんですね」

見ればその先生、バッテリーグリップを装着したニコンD7200を首にかけている。聞けば、D800も所有している根っからのニコンファンらしく、フィルム時代は色々なところへ出かけては撮影を楽しんだそうだ。しかしこの頃の被写体はもっぱら生徒達らしい。

「これNikon1のV2ですけど、すでに販売は終わってます」
「私、手が小さいので、これしっくりくるな~」

この先生、かなり機械ものが好きなようだ。細かく観察しているし、目が真剣である。

「山歩きにはもってこいですね」

そう来ると思った。もはや山歩きにV2は欠かせないのだ。

歩き方に工夫をしつつここまで来たが、そのせいか、下半身の疲労度はいつもの“初っ端”より低いような気がした。但し、残念ながら左膝には相変わらずの違和感が発生していたが、全体としては上々だと思うし、少なからず日頃のストレッチング、そして歩き方の工夫による効果が表れたのだろう。

下山にかかると、日の出山の東側は再び人影がなくなり、先ほどまでの喧騒が嘘のような静けさに包まれた。
実は私、こんな樹林帯歩きが好きだ。植林だろうが自然林だろうが構わない。木々に覆われ日差しが届きにくい樹林帯には、真夏でも爽やかで冷っとする空気が必ず流れていて、それが体にまとわりつく感触がたまらないのだ。
こんな一瞬、山へ来て良かったと思う。

この後、いつもなら愛宕尾根を下って二俣尾に出るのだが、今回は吉野梅園を通り、日向和田へ出るルートを選んでみた。距離感的にはほぼ同じだが、こちらは一般道へ出てから駅までの距離が長く、幸か不幸か、カンカン照りに見舞われたことが体に響いた。やっと町へ出たというのに、汗が噴き出して止まらない。たまらずザックから最後の500mlリットルミネラルウォーターを取り出し、グビグビと流し込む。

「ふ~~、生きかえる」

多摩川に反射する西日がやけに眩しく、それは山行の終わりを告げていた。

桜の下

桜が散り始めると春本番がやってくる。本来ならば、爽やかな季節の到来なのだろうが、残念ながら今シーズンより花粉症のデビューを果たしたようで、就寝時は鼻づまりで寝苦しく、起きたら起きたで目が痒くなり、何気に一度でも掻いてしまえば、我慢の限界を超える痒みに襲われる。これが2ヶ月も続いているのだから、うんざりこの上ない。
女房からは常々「病院に行ったら」と言われるが、1年の4分の1を投薬による副作用に怯えながら暮らすのもどうかと思い、鼻づまりにはノンステロイドの点鼻薬、目の痒みにはそれ用の点眼薬で何とか耐え忍んでいる。
まあ、新緑が眩しく感じる頃にはおさまってくるだろうから、もう少しの辛抱だ。

「西久保公園の桜、もう散り出してるね」

うちの娘が小さい頃、額に汗して自転車の練習をした、玉川上水沿いの公園である。
被写体として桜にはそれほど興味を惹かれないが、今年は開花後に雨や強風もなかったので、例年以上に豊かな咲きっぷりを見せている。

「そうか。じゃ、ちょっと行ってくるかな」
「りーちゃんいいね、またお散歩だね」

とりあえず記録だけでも残しておこうと、V2を片手にリチャードを連れ出した。
歩き出して数分もしないうちに背中が汗ばみ、たまらずウィンドブレーカーを脱いで腰へ巻く。春の陽気が嬉しいのだろうか、リードを引っ張るリチャードの下肢に力が漲っている。
公園に着くとまだ春休みとあって、大勢の子供たちで賑わっていた。
グランドを横切り、南側の出口へ向かって行くと、

「さわっていいですか」

小学校下級生だろうか、二人の女の子が近づいてきた。

「噛まない?」
「大丈夫だよ」

少女が恐々と差し伸べた指先をリチャードがぺろッと舐めた。

「わっ」

犬に慣れてないようだ。真面目にびっくりしている。
その仕草にビビリ―のリチャードが後ずさり。
しかしそうしているうちに、リチャードも次第に女の子達に慣れてきたようで、しきりにしっぽを振りだした。
何のことない日常のワンシーンだが、青空と満開の桜の下では、なんだかとても眩しく感じられるのだ。

悪化していた脂質代謝

項目基準値単位今回判定前回
脂質代謝総コレステロール140~199mg/dl225C208
HDLコレステロール40~119mg/dl6774
LDLコレステロール60~119mg/dl133109
中性脂肪30~149mg/dl10384
糖代謝空腹時血糖60~99mg/dl109B101

上記表は、先々月2月21日(水)に行った健康診断での要注意項目である。
ここ数年間順調な改善を示していた脂質代謝だが、今回の検査で悪化へと急転していたことが判明。一体何があったのかと慌てふためいた。
総コレステロールについては、初めての“C判定”で意気消沈。更にもう一つの指針としてのLH比も<LDL 133÷HDL 67=1.99>と昨年の1.47から大きく後退し、再び動脈硬化の脅威が持ち上がった。
3年前よりカルピスのアレルケアを服用し始めてからというもの、着実な改善がみられていたので、今回の検査結果は不思議だし、納得のいかない部分もある。
そもそも根本である生活パターンは何も変わっていないのだ。
往復16Kmの自転車通勤は11年目に入り、今では完全な日課となった。帰宅すればほぼ毎日晩酌を楽しみ、一度のアルコール量はウィスキーに換算してダブル3杯ほど。晩酌のあとはしっかりと夕食を取って、おまけにデザートとして甘いものをいただく。そして酔いと満腹感により、1時間もしないうちに瞼が落ち、ベッドへとGo。
あまりいいパターンではないが、同じことを毎日10年間続けている。
となれば、アレルケアの効果は一体どこへ行ってしまったのか?

さて、脂質代謝については散々だったが、改善された項目もあった。
それは胃だ。
昨年の内視鏡検査の際、軽度だが胃体上部大弯に萎縮性胃炎が見つかり、次回の状況次第ではピロリ菌の検査を行った方がいいとアドバイスを受けた。しかし、今回の内視鏡検査ではかなりの治癒が見られ、殆ど問題はなくなったとのことだった。相変わらず胃体部大弯に胃底腺ポリープは見られたが、これは良性であり、寧ろ胃内部の状況は良好で、ピロリ菌にやられている兆候は全くないと診断された。

まっ、何はともあれ、加齢と共に体は劣化していくので、できる範囲の健康対策は行っていこうと思っている。
脂質代謝にはC判定が出ているので、先ずは半年後の再検査をターゲットとし、数値改善に励みたい。

写真好きな中年男の独り言