頭を抱える事態 その6

コロナ騒動が進む中、不自由になったことは数えきれない。
陽光が日増しに強くなり、これから森の生命感はピークに達する。できることなら北八ヶ岳を歩き、輝くばかりの新緑を拝みたいところだが、昨今では“越境”は悪と定義され、当該地区の住民からすれば、他県ナンバーはコロナを持ち運ぶ侵略者に他ならない。
その侵略者に対して“自粛警察”と化した気の短い輩は、煽り運転に走ったり、最悪の場合、車に傷を付けたりと、犯罪行為にまで及ぶ。
東京都立大の宮台真司教授(社会学)は自粛警察の心理について、「非常時に周りと同じ行動を取って安心したい人々。いじめと同じで自分と違う行動を取る人に嫉妬心を覚え、不安を解消するために攻撃する」と解説している。
全くとんでもない世の中になったものだ。
先日もある中年男性が職場へやってきて、ヤフーニュースをそのまま棒読みにするが如く喋り続け、1人で興奮していた。

「なんだ安倍はなさけない! まだマスクが届かないじゃないか!それと10万円はどうなってんだ。さっさとよこせっていうの。飲食店や学生が困ってるっちゅうのに、早く対処しろってえの!!」

勝手にしゃべるのいいけど、その前にマスクしろってば。
あんたさ、唾飛ばしているぜ。咳より酷いよ。

「これさ、妹が作ったマスク。使い捨てなんかもったいないじゃん」

マスクはね、着けるためにあるんだよ。きれいにできているけど、人に見せるもんじゃないんだな。

遠くには行けないので、相変わらずご近所散歩の際にスナップをやって胡麻化しているが、それもそろそろ飽きてきた。それじゃたまにはカメラ道具の整理でもしてみるかと、押し入れと屋根裏部屋それぞれに押し込んである収納BOXを下ろしてきて、中身を全て畳の上に並べてみた。するとNikonグッズの中にリコーのGRが出てきたのだ。十数年前に大手家電販売店のフロア長をしていた知人より譲り受けたもので、話題のカメラとは知りつつも、ニコン好きである私はコンデジもCoolPixを愛用していた。
しかしよく眺めてみれば、なかなかどうしてスリムで洒落たデザイン、そしてコンデジにしては堅牢なボディで、高級感さえ漂う。ところが物理ズーミングがなく、おまけに手振れ補正もなしという手強いモデルなので、いつの間にかお蔵入りになっていたのだと思う。
ところが久しぶりに目の前に置かれると、ちょっと使ってみようかなと掴み上げてしまう。
駄目もとでバッテリーをフル充電し電源を入れると、ちゃんと作動はしたが、バッテリーの残量が一気に残り30%へと落ちてしまった。しょうがないので安価で性能も安定しているSIGMA製のバッテリーを購入。早速リチャードの散歩に持ち出し試写してみた。設定はフルオートで、全てカメラ任せだ。
家に戻ってデータをPCに移し、モニターしてみると、何と撮影枚数の半分近くが手振れではないか。左手は絶えずリードを持っているので、シャッターを下ろす時は片手なのだ。写真撮影の基本ができていないと同好の方々から怒られそうだが、手振れ補正の付いたCoolPixだったらこれでも殆どぶれない。
要は便利機能に浸かりっ放しだったのだ。どんなにカメラ性能が進化しようと、両脇を締め、肩の力を抜いて等々の写真撮影の基本動作は大事なのだ。
肝心の画はというと、際立ったものは感じられない。設定はJPEGラージでRAWは使わなかった。
但、この際立ったものがない画を普段使いのCoolPixS8200のそれと比較すると、良い意味でデジイチに近い感じである。スマホやコンデジにありがちな作られた感があまりなく、自然なのだ。このような特性は、RAWで撮ってPhotoshopなどで加工修正する際には非常に使いやすいものだ。

頭を抱える事態 その5

緊急事態宣言の延長で企業倒産が更に加速するという。
帝国データバンクによれば、4月末までに100件を超える倒産が確認されていて、業種別上位は「旅館・ホテル」(27件)、「飲食店」(11件)、「アパレル・雑貨小売」(9件)となっているが、これは実感として伝わってくる。
外出自粛とは言え、家の中にずっといれば気分も塞ぐし体も鈍る。
てなことで休日には女房と散歩をすることが多い。そんな折には道すがらのランチを楽しんでいる。たまに外のものを食したくなるのは人情だ。
ところがだ、どこへ入ってもその客の少なさには驚くばかり。入店時刻は本来最も混雑する筈の12時~13時である。満席が100%だとして、くら寿司:30%、フォルクス:30%、バーミヤン:20%、七輪房:20%、ガスト:20%、いなば和幸:30%等々と、各店共々寂しい限り。尤も、羅列したのはどれも大手チェーンだからまだ耐え忍んでいるが、これが個人店だったら1~2カ月で店じまいだろう。
よく利用する職場近くの“膳と宴”では、10%にも満たない閑古鳥が続いているという。居心地のいい店なのに、これではどう考えてもお先真っ暗。寂しい限りである。
ウィルス封じをとるか、はたまた経済を優先させるか、政権にとっては正に究極の踏ん張りどころだろう。とにかくこれ以上中小企業を窮地に落とさない救援策を、最大限のスピードをもって施行してもらいたい。

リチャードの散歩コースにある竹林では、現在タケノコ狩りができるようだ。
但し案内看板を見ると、ここもコロナ禍のあおりを受けて、通常より少ない人数での予約制になっていた。
どこもかしこも、コロナコロナコロナで本当にうんざりだ。
先日、親しくしている方から、採りたてでしかも炊き上がったタケノコをいただいた。
女房がすぐに他の野菜と合わせて、煮物をこしらえたが、これがとびっきりの美味さ。
旬なものを新鮮なうちにいただけるってのは何よりのこと。
またまた酒が進んだことは言うまでもない。

頭を抱える事態 その4

緊急事態宣言の期日がひと月ほど延長され、全体像としては長丁場となるようだが、これは殆どの国民が予想していたことだろう。しかし分かってはいても、この状況が延々と続くと思うと、正直げんなりである。
人間は抑圧されると必ず反動が起こるもので、外出自粛と抑え込まれれば、どこでもいいからとにかく出掛けたくなるし、他県への越境はひかえるようにと釘を刺されれば、丑三つ時を狙ってでも遠出したくなるのだ。

あ~~、八重山の青い海を見たい!

2005年の10月。初めてトライした一人旅の行き先は、沖縄本島から飛行機で更に一時間ほどの八重山諸島だった。
石垣島にホテルをとった翌日に、離島へ足を延ばそうと石垣港へ行ってみると、多数の船が停泊する港なのに、その海水の透明度の高さに度肝を抜かれた。
その翌日にはレンタカーで石垣島を一周。ホテルを出てR79をひた走り、最初に海が見えた瞬間、反射的に車を路肩に寄せた。
無数の魚が泳ぐ美しい河口から海を臨めば、その先には岬がせり出し、抜けるような青空には白い雲が幸せそうに浮かんでいた。
ついつい見とれてしまい、これこそが“絵画のような景色”だろうと納得してしまった。