沼津・千本浜

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海原の先には伊豆半島、背には愛鷹山と富士山、そして果てしなく西へと延びる防波堤。これほど爽快な景色が一ヶ所に集まった場所は、なかなか他ではお目にかかれない。
そう、千本浜は私にとって第二の故郷、“沼津”のシンボルと言っていい景勝地であり、古くから市民の憩いの場として親しまれている。
但、これほどナイスなところなのに、なぜか千本浜は<景勝地=観光地>という公式が当てはまらない。
堤防の上でまどろむ人、散歩やジョギングを楽しむ人、自転車で疾走する人、トランペットを奏でる人、浜で竿を振る釣人等々、周囲を見回せばその殆どが地元民なのだ。
幼年期を千本浜の近くで過ごした私には、ここに集う人達を一目見れば地元民かそうでないかはすぐ分かる。とりわけ観光客の判別には自信がある。
沼津市内の観光メッカは、今や年間145万人が訪れるという沼津港だ。土産物屋、飲食店、それに大型駐車場が次々に新設され、人気飲食店ともなれば、平日でもランチ時にウェイティング客で溢れかえる。
そんな喧騒のるつぼから徒歩10分の距離にある千本浜には、いつもゆったりとした時間が流れ、訪れた人の心を優しく癒やしてくれるのだ。
特に夕暮れ時に感じる風情は別格の趣があり、茜色に染まった空気が全てのものを包み込んでいく時、日常に於ける平穏とは何かを、改めて見つめなおしたい気分に駆られてしまう。


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