春の気配

2020年2月14日(金)。春までへの距離感を確かめるために、井の頭公園へ行ってきた。
この日は朝から気温が上がり、午前中で既に14℃を超えていた。NHKのお天気ニュースによれば4月上旬の陽気だそう。なるほど、空気が温いわけである。
10時に車検の上がったPOLOを西東京のディーラーへ引き取りに行き、自宅へ戻るとすぐにD7000+Nikkor18-200mmをカメラバッグに入れて、自転車で井の頭公園へ向かった。10分少々で到着できる利便性が、ちょくちょく訪れる理由だ。しかも“公園利用者限定”で、無料の駐輪場も用意されているから嬉しくなる。

そう、実は年明け早々にD7000を手に入れたのだ。
D100を長らく使っていたので、お気に入りのDX専用レンズは2~3本持っているが、それを使おうとすれば、重量級のD2Hを持ち出すしかなかった。ニコンオリジナルのイメージセンサー【LBキャスト】を搭載する同機は、好きなカメラに違いないが、スナップをやろうとすれば、そのあまりの重さに肩こりを覚悟しなければならないし、画質を考えたらISOは400までしか上げられない等々、平均的な現行モデルと比較すると、あまりにも制約が多すぎた。特に普段は軽量コンパクトなD600をメインにしているので、たまには使ってやろうかとカメラケースから引き出せば、その重さと大きさに、即ケース戻りとなる。
花をググッと接写し、更には周りの情景まで取り込もうとする時、マクロ機能のついたSIGMAの17-70mmは実に良い仕事をしてくれる。よって、花の季節に備える意味でも、お手頃なDX機を少し前から物色していたのだ。当初はローパスレスのD7100と考えていたが、勤務先でオートバイの撮影に使っているD7000をちょっと試してみようと、昨年の年末撮影会に持ち込んだところ、思った通りの使いやすさと画を得られたので、価格も抑えられる同機に絞り込んだのだ。それにしてもこのD7000、かなりなお買い得品だと思う。
特にこれから写真を趣味にしようという方々には最適この上ない。
ボディー性能は言うまでもなく、本格的な作品作りに対してもストレスを感じさせることはないし、そしてとにかく価格がお手頃なのだ。品数豊富なマップカメラなら、諭吉を3枚握りしめて行けば結構なお釣りが戻ってくるし、ヤフオクを使えば20,000円を切ることも屡々だ。
私はヤフオクで、シャッター回数6,840回の美品を、なんと18,600円で手に入れることができた。コストパフォーマンス抜群である。

コロナウィルスの影響だろうか、坂道を下って池の畔まで来たのに、人影がまばらである。暖かく風もない絶好のお散歩日和なのに、同公園としては珍しい状況だ。
一応、花を撮るのが目的だったので、井泉亭の先にある梅林へと直行した。
暖かいと言ってもまだ2月、ところが陽光は間違いなく春を感じさせるもので、梅は白も紅も8分咲、フクジュソウも3~4輪ほど開花、スイセンなどは見頃である。花弁の衰えが早いツバキも、日本庭園ではまだまだきれいに咲いていた。
紅梅にいいポジションを発見したが、年配男性に先取りされていてなかなか動こうとしない。メーカーはわからなかったが、ミラーレスらしきカメラで相当数撮っている。よく見かける“カメラ好き親父”の装いではないが、様々なアングルから狙っているところを見ると結構なベテランかもしれない。
それではと、一旦場所を弁財天へ移すことにした。
今日は人影が少ないと言っても、ここにはそれなりの人が訪れていた。一眼レフを持った年配男性、30代ほどの若い男性、それに年配夫婦と年配女性の二人連れ。普段だったらこれに必ず中国人が絡むところだが、今日は皆無。やはりコロナの影響がでているのだ。
さて、新緑にはまだ遠いし、池の水もやや濁りがち、ここで撮るものは見つかりそうにないので、再度梅林へ戻ろうとすると、目の前の柱に大きなカラスがとまっているではないか。しかもちょっとギクッとするレベルである。何気にレンズを向けると、「おっと!」カメラ目線が返ってきた。いい度胸してるなと、少しづつ距離を縮めていくが、動じない。これでもかと1mほどまで接近してやっと飛び立ったが、人慣れしていることには間違いない。カラスは知能があるときくので、人間様なら下手な手出しはしないとわかっているのだろう。恐れ入ったものだ。

ふと腕時計を見ると、時刻は12時を回ったところ。いせや開店の時刻である。
どうするか、いくか、帰るか、、、


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です